最近、ミャンマーのサイクロン、中国の大地震と立て続けに大きな災害がアジアを襲いました。
被害はどちらも甚大ですが、中国政府が迅速な対応で国際的な評価を高めたのに反して、ミャンマーの軍事政権は国連の支援を拒否し続けるなど、相変わらず自国民の苦難に無頓着な対応に終始しています。
私が国際赤十字の仕事で、ミャンマー赤十字社の組織強化および災害対策を担当していた2002-04年当時と比べても、ミャンマーの政情はさらに悪化していて、政権が国際支援に対して抱く警戒感もより強くなっているようです。
しかし、5月17日付のSan Francisco Cronicleの記事の中でSan Francisco FoundationのCEOも語っているように、「このような政情では、ミャンマーに支援をしようとしたところで無駄だ」というふうに考えないで頂きたいと思います。
この記事でも取り上げられているように、こうした困難な状況で力を発揮するのが、国際的な資源動員力と、現地の草の根ネットワークを併せ持つNGOです。数は限られていますが、Save the ChildrenやWorld VisionなどのNGOが、ミャンマーでも活躍しています。
私の古巣の国際赤十字赤新月社連盟も、外国人の被災地への立ち入りが極度に制限される中で、国内最大のボランティア網を誇るミャンマー赤十字社と連携し、救援活動を展開しています。
5月16日に発表された52億円規模の緊急救援計画に関するプレス・リリースで、連盟の事務総長は以下のように語っています。
"(Local Red Cross volunteers and other trained community members) know the language, culture and context. They have been the first to respond and we need to continue to support and use this expertise and experience to reach as many people as possible."
私はミャンマーでの任期中に、赤十字ボランティアと地域コミュニティのメンバーを対象として、災害対策トレーニングプログラムを全国規模で立ち上げたのですが、その成果がささやかながらこうして現れているようです。
地震では、発災後2-3日が救援活動の最大の山場になり、あとは徐々に復興活動に移っていくのに比べて、サイクロンとそれにより引き起こされる洪水では、感染症の蔓延などの二次被害の懸念がより深刻なため、救援活動の遅滞はそのままさらなる被害者数の拡大につながりかねません。
日本赤十字社でもミャンマー・サイクロン災害被災者救援金の受付をしていますので、是非ご協力ください。