2007年12月31日月曜日

ドミニカ共和国&ハイチ旅行 - その1

12月15日 (土) 【アメリカ→ドミニカ共和国】

未明にアパートを出て、オヘア空港へ。大雪でタクシーがスリップし、一瞬ヒヤッとする。雪で欠航になるかもと心配するが、午前7時に無事出発。ボストンを経由して、午後5時前にサント・ドミンゴに到着。

宿で一息ついてから、歩いてすぐのParque de Colonに行き、夕食をとる。お勘定を見て、ちょっとびっくり。メニューの価格に何やら加わって、合計が30%近く高い。ウェイターさんに尋ねて、16%が間接税で10%はサービス料と判明。「サービス料の10%は良いとして、間接税16%って高くない?」と聞いたところ、「新しい政治家が現れては、人気取りのために放漫な財政で赤字を増やし、ツケを間接税に回して去って行くから、どんどん税率が高くなってるんだ。サービス料は全然変わらないってのに…。これが民主主義ってもんさ」との返事。

12月16日(日) 【ドミニカ共和国】

午前中に明日のハイチ行きのバスの便について情報を得るため歩き回った後、サント・ドミンゴの市内をゆっくり散策。米メジャーリーガーもたくさん輩出しているドミニカ共和国のプロ野球の試合が午後5時からあると聞き、タクシーで市内のEstadio Quisqueyaへ向かう。場外で応援グッズやウェアを売っていたので、今日の対戦チームのうち、デザインが気に入ったEscogidoの帽子を購入。

Leones del Escogido(攻撃) vs Tigres del Licey(守備)

EscogidoとLiceyはどちらともサント・ドミンゴがベースのチームだが、両者が対戦する場合にはホームとアウェイを交替するようで、今日はEscogidoがホームチーム。場内のアナウンスや効果音は全て、Escogido寄りなのに、観客の応援は圧倒的にLicey側が多い。後で知ったことだが、LiceyはAguilasと人気を二分するチームで、毎年この二者が優勝を争うとのこと。一方、われらがEscogidoは古豪ながら、最近は低迷が著しいのだそうだ。でも、この日は3対2で逃げ切って、見事Escogidoが勝利。

Escogidoのマスコットキャラクターのライオン君による勝利祈願(?)の烽火のパフォーマンス

2007年12月15日土曜日

Heading out for vacation!

ドミニカ共和国とハイチに行って来ます!「社会貢献価値」市場の関連文献をどっさり持っていって、ビーチでゆっくり読もうと思ってます(あまり時間がないかもしれないけど)。

Happy Holidays!

2007年12月14日金曜日

マイクロファイナンスの現実

"Botswana and Zambia: Counting on Microfinance"も、ビジネスウィークから。ボツワナおよびザンビアでのマイクロファイナンスの現状に関する、ナレーションつきスライドショー。

ここでも紹介されているBlueは、サラリー・ベースド・レンディングというマイクロファイナンスの手法で大きくなりました。給料天引きで貸したお金を回収する仕組みになっているため、貸し倒れ率を低く抑えています。しかし一方で、低所得層を食い物にしている現代の奴隷制度だとして批判する声もあります。

グラミンバンクをはじめとする、伝統的なマイクロファイナンスは、担保とする資産を持たない貧困層に、隣組のような少人数の借り手同士のグループを作らせ、そのグループに融資を行います。彼らのコミュニティ内の「信用」・「体面」を担保とすることで、貸し倒れ率を抑えるという手法です。

しかし、これが通用するのは主に農村部などの、密接なコミュニティが存在する社会においてであり、都市部のスラムなどでは違った戦術が必要になってきます。給料天引きという手法もそういう文脈で登場したのでしょう。

日本の消費者金融と一緒で、顧客のニーズに応え役に立つビジネスをしているのですから、それ自体が高尚だとか非道だとかいうことは言えません。問題はその運用であり、顧客が満足するサービスを提供し、彼らを味方にしてしまうことが、長期的に見ればより有効な企業戦略になるということに気づいて実践することができるかどうかです。

ナイジェリアと石油

"Nigeria: Creating Wealth Out of Chaos"は、ビジネスウィークのナレーションつきスライドショー。こちらはナイジェリアについて。

そう言えば、愛読する踏み上げ太郎さんのブログでも、アフリカで投資対象として最も注目しているのは南アフリカとナイジェリアと書かれていました。確かにナイジェリアの石油資源は大きな可能性を秘めていますが、これが強みになるか(これまで通り)呪縛になるか。

この数年間で中国は、資源確保のためアフリカに大々的に投資をしています。それを見て焦った欧米も、これまでより政治要求(ガバナンス、人権)と経済協力のリンクを緩めており、アフリカへの外資流入が進んでいます。

ただもちろん、これらはほとんど全て資源目当て。コモディティ(ナイジェリアの場合は特に石油)の価格が上がり続ける、または高値維持というシナリオでなら良いですが、もしそのシナリオが崩れれば、猛烈な勢いで海外資本の引き揚げが起こるでしょう。

今入って来ているお金を、国としてどう使うか。ガバナンスと治安の確保に加え、経済のボトムアップが不可欠です。起業家や社会起業家たちの活躍の場を広げ、インフォーマルエコノミーを育成・活性化しなくては、今のブームもあっという間に過ぎ去って、元の木阿弥になりかねません。

マラウィが食糧不足から脱却できたワケ

長い間飢餓に苦しんで来たマラウィ。しかし、New York Timesの"Ending Famine, Simply by Ignoring the Experts"は、今年は豊作で、食糧輸出に転じており、ユニセフの救援用備蓄食糧もいらなくなって他国に移転されるほどだと報じています。豊富で安価な食糧は、社会の発展に極めて有益です。

理由は単なる好天候だけではなかったようです。80-90年代に世銀の単純な自由市場主義的な提言にしたがって採ってきた政策を覆し、政府による肥料の補助金制度を導入したのが奏功したのです。世銀自身が最近の調査で認めた形になりました。

環境至上の立場からすると、化学肥料の使用に対して異議もあるかもしれませんが、人が餓えている状況を解決するのがまず先決。

最近の社会起業家への関心の高まりは、とても良いことだと考えています。ただ、それと時を同じくして、市場原理を徹底させれば世界の全ての問題が解決するかのようなナイーブな論調も目に付きます。そこでは、これまで政府や非営利組織が扱ってきた分野に、「優れた」市場原理を持ち込む尖兵のような扱いで、社会起業家が語られます。

マラウィの成功はそうした幻想への反証ともいえます。

市場と政府と市民社会はそれぞれ異なる強みを持ち、互いに補完しあわなくてはなりません。社会起業家の役割は、その補完関係に穴が空いているところを見つけて、ほころびを縫い合わせてあげること。

市場の効率とスケーラビリティ、政府の正統性と強制力、市民社会の公正性と開放性。これらの利点を縦横無尽に活用できる柔軟さとしたたかさがないと、前進はありません。

山師がアフリカを救う?

ビジネスウィークの"Can Greed Save Africa?: Fearless investing is succeeding where aid often hasn't"は、ビジネスチャンスを嗅ぎつけて、アフリカに群がる起業家と投資家たちについての記事です。

「山師」だとか「群がる」だとか、あまり響きの良くない言葉を使いましたが、その実バリバリのビジネスエリートたちです。

彼らがやってるビジネスの着眼点の多くは、C.K.プラハラードが言うBOP (the Bottom of the Pyramid)のアプローチに通じます。

こういう大きなリスクを取りに行けるリソースとスキルを持ったアントレプレナーの存在は、経済の活性化に極めて重要な役割を果たします。

利益目的、大いに結構。サステナビリティの無い一攫千金で、長期的な視点で見れば社会に迷惑かけただけということにならない限りは。

ブログとSNSの魅力

昨日でやっと期末試験が全て終了しました!ただ、試験勉強はほとんどしなかったので、実を言うと他の学生たちに比べると、解放感の強さはそれほどでもないです。

私は、月曜日から木曜日まで一科目ずつ試験があったんですが、月曜日のアカウンティングまでは一夜漬けとは言え、一応勉強はしていたんです。ただ、その後の科目については、一夜漬けさえせず、正味合計勉強時間は多分一時間弱。

と言うのも、実は月曜日の試験のほぼ直後にミクシィへの招待状が届き、即加入。その後は、プロフィールを作成し、知り合いを探し、面白そうなコミュニティを見つけては参加し、さらにソーシャル・ファイナンスや社会起業インフラに関するコミュニティが無かったので新しく立ち上げ…といった感じで、勉強そっちのけ。ほぼエンドレスで、ミクシィに没頭してしまいました。

本当に、今さらという感はありますが。

正直、私はブログが出て来始めた頃(まだweblogと呼ばれてましたね)、全く関心が無かったんです。従来の個人ホームページと何が違うのか、よく分かっていませんでした。ブログ以前でも、ジオシティーズなどを使えば、無料で、大したスキルも必要なく、ホームページを作ることはできました。ブログは、自分でホームページを作るよりもさらに簡単だけど、できることの制約も多い。Web 2.0だ、双方向コミュニケーションだといったところで、それまでにも掲示板やチャットを組み込んだホームページもいくらでもありました。個人ホームページがあまり活発にならない理由は、作るのが難しいからというよりも、個人が持っている魅力的なコンテンツが少ないから、と考えていたので、ブログというものがそれほど大きな革新をもたらすとは思えませんでした。

ミクシィなどのSNSにしても、同様です。ブログは一般に広く開かれていて、誰でも読めるのに、SNSではコミュニケーションできる相手を制限するわけですから、どうしてそれほど魅力があるサービスとして受け入れられるのかよく理解できませんでした。

仕事の忙しさにかまけて、自分で試してみることもせず、随分頭の固い思考をしていました。今にしてみると、私に見えていなかったことが四点あると思います。

1. 技術的スキルの閾値: 個人ホームページを作るのはいくら難しくないとは言え、それでもやっぱり大部分の普通の人たちには面倒くさすぎた。ブログは、情報発信のために必要とされるスキルの要求度を下げることで、サービスの対象となる顧客層を飛躍的に広げることができた。 

2. 動的な情報発信: 使用できるフォーマットに制約があることで、逆にユーザーが頭を使う余地が少なくなり、構成だとか整理だとかに悩むことなく気軽に新しい記事を書けるようになった。これにより、それまでの個人ホームページよりも更新の頻度が高まり、「動き」のあるメディアとなって、その魅力度増大につながった。

3. コミュニティの発生: こうして、より多くの人がより頻繁に情報発信を行うようになると、その情報を求めてやってくる人の数や頻度も増大し、相乗効果が生まれた。さらに、コメントやトラックバック、それにSNSの足あとなどの仕掛けが加わることで、ユーザー相互のコミュニケーションが促進され、コミュニティが生まれた。

4. メンバーの選択: コミュニティの価値は、「誰を入れるか」だけでなく、「誰を入れないか」に左右される。SNSは、コミュニティのメンバーを選択する力をユーザーに与えることで、コミュニティ内のつながりをより密接なものにすることを可能にした。

以上、最近やっとブログやSNSの価値に気づきはじめた者の雑駁な感想でした。 

2007年12月12日水曜日

ドル・キャリー

wha_man3さんがブログで、アメリカの「住宅不況の深刻化→徹底した利下げ→ゼロ金利→ドル・キャリーの発生→基軸通貨の際限ない垂れ流し」というシナリオの可能性を論じています。

ドルのキャリー・トレードが蔓延して、基軸通貨国が際限なく紙幣を刷り始めるなんてことになったらどうなってしまうのか…確かに、ちょっと想像し難いですね。 ただはっきりしてるのは、サステナブルではないということ。今のドルを基軸通貨とした国際通貨体制に、どうしても何か抜本的な手を打たなきゃならないってことになる時が近づきつつあるように思います。

最近のFinancial Timesの論説は、SDR(IMFの特別引出権)を緩衝材として活用することを提案しています。ただ、これもその有効性の源泉はというと、結局のところ通貨バスケットと…ゴールド。本当にその程度の小手先の対応で大丈夫なの?テラみたいなもう一歩つっこんだ選択肢も、少なくとも代替案の一つとして真剣に検討する必要が 、本当に出てきているんじゃないかな?

2007年12月11日火曜日

Ripple Project

I have long been interested in the potential of alternative currency such as LETS as a tool for social and economic development. When I was working with UNESCO in Korea, I proposed the idea of exmerimenting a community currency system as a part of the incentive mechanism for volunteers of the Cross-Cultural Awareness Program, with a longer-term aim of leveraging it to build a self-help community among foreign students in Korea (though it didn't materialize as I soon quit the job). However, I've also had a reservation about the archtectural weakness of LETS.

I recently learned about this new open-source system called the Ripple that seems very promising for overcoming the kind of problems LETS had. The system is symple and robust. It is basically a financial version of LinkedIn, or a cyber version of traditional, informal value transfer system called hawala or hundi. Of course the Ripple is far from perfect, but I have a distinct feeling that this idea can lead to a very exciting and concrete innovation.

I am particularly interested in its potential application in international development. Combined with P2P mobile banking systems that are taking off in many developing countries, this can significantly help mirofinance institutions reduce their high transaction cost, especially related to due diligence. The result can be a next major innovation in micorfinance after salary-based lending and Kiva.

2007年12月9日日曜日

来年の本格始動に向けて

昨日は昼に「社会貢献価値」取引所プロジェクトのメンバーとミーティングした後帰宅してから、来年の本格始動に向けて色々と仕込みをはじめ、深夜まで没頭してしまいました。期末試験直前だというのに、勉強は完全にそっちのけ。自分への言い訳ですが、この年で折角また学生生活やってるんだから、必修科目の試験勉強なんて時間がもったいなくて。今回の留学は二年分の年収(+昇給)の機会損失と学費(これは会社が出してくれてますが)をあわせたら、ン千万円の投資になります。まぁ単純な算盤勘定を超えて、「自分のやりたいことができる人生」を手に入れるという意味で元を取ろうと思ったら、実際「やりたくねえことやってる暇はねえ」(by 真島昌利)ってなもんです。

まずは、これまで読み漁った文献および今後分担して読まなきゃいけない文献をリストアップ。今まで読んだ中では、"Nothing Ventured, Nothing Gained: Addressing the critical gaps in risk-taking capital for social enterprise""Developing a Social Equity Capital Market 2006"がよくまとまっていて、現況を概観するのに役立ちました。

さらに、今後調査が必要な団体・個人をマッピング。xigiなどでこれまでに見つけた特に面白そうな事例は、まず南アフリカのSASIXと、ブラジルのBVS&A。それに、まだ試験段階のようですが、イギリスのTriodos EthexとアメリカのAltruistiqといったところでしょうか。

2007年12月8日土曜日

「社会貢献価値」取引と排出権取引の違い

私たちの「社会貢献価値」取引所創設のプロジェクトにアドバイザーとして参画してくれている一人に、HIP InvestorのCEOのポール・ハーマンがいます。彼から最近聞いた話では、排出権市場で「社会貢献価値」も取引できないかというプランを構想している人たちがいるそうです。

確かに、一見すると排出権市場も、それまで市場価値の無かったものに市場価値を与えることで、外部性不経済を内部化したということで、「社会貢献価値」取引所のアイデアと似ているように見えます。ただ、排出権市場で「社会貢献価値」をどうやったら取引できるのか、どうもぴんと来ない。私が考えるには、根本的に排出権市場は「社会貢献価値」を扱えるようにはデザインされていないのです。

排出権取引は、あくまで政府が温暖化ガスの排出量を規制することによって、人為的に希少性を作り出すことで、「排出権」という目に見えないものに価値が与えられて、それを取引できる場が用意されたことで成り立っています。つまり、ここでの価値の源泉は、政府がもつ強制力なのです。 ところが、政府が企業や個人に、「社会貢献価値」をそれぞれ何ユニットと割り当てを決めて、(納税のように)義務として拠出させるといったことは、ちょっと非現実的すぎます。さらに、「社会貢献価値」は、二酸化炭素の排出量よりも測定がはるかに困難です。「社会貢献価値」が取引されるには、具体的かつ測量可能な便益が見返りとして無ければなりません。

株式市場にしても、排出権市場にしても、すでに機能している既存の仕組みから学ぶことは重要です。でも、そのまま便乗または流用しようとするのは、それはやはり無茶というものだと思うんだけど。


P.S. 排出権取引といえば、私のミシガン大学留学時代からの畏友の吉高まりさんが、この分野における日本でのパイオニアの一人として、10月にNHKのザ・プロフェッショナルに出演されていました。私は滞米中なもので放映時は見ることができず、家族に録画を頼んでいたんですが、先日のサンクスギビング休暇で東京に戻ったときにチェックしたら、残念ながら録画失敗していました。楽しみにしていたのに…。仕方ないので、日経ビジネスオンラインの茂木健一郎のコラムを読んで我慢。

「社会貢献価値」取引所

12月2日の英語エントリーに書いたとおり、「社会貢献価値」取引所のプロトタイプを創り、試験を重ねた上でビジネスプランを策定するというプロジェクトを、有志・知人と現在進めています。荒唐無稽なアイデアに聞こえるかもしれませんが、実は10年ほど前からアメリカを中心に議論がさかんになり、徐々に研究が進んできているトピックです。まだ机上の空論と思われがちなものを、不完全であれ現在できる形でつくってみて実際にテストするというこのプロジェクトは、社会起業インフラの開発・整備という観点から極めて重要な試みになると考えています。

ジェッド・エマーソンなどはこの分野で中心的な人物の一人ですが、彼は経済性と社会性という価値を別個に捉えるのではなく、ブレンドした価値観を創り出す必要があると考えていて、そうした新しい価値観に基づいた社会性事業のインフラ作りを提唱しています。日本では経済同友会が提唱している「市場の進化」の考え方などはこれと一脈通じるものがあると思います。

ただ、私は実はこのブレンデッド・バリューのコンセプトの現実的有用性については、まだ疑問を感じています。社会性という価値を、経済性とはあくまで別個の価値として認め、その極めて異なった性質を理解しないと、それを促進するための効率的な仕組みづくりなんて不可能だと思んです。経済性価値の促進のために発達してきた市場という仕組みを単純に流用するのではなく、社会性という価値の特性にあったオーダーメードの仕組みを作る必要があるのではないかという仮説をもって、現在のプロジェクトに取り組んでいます。

Premises of the Social Value Exchange System Project

The ultimate goal of our project should be to develop a prototype of social value exchange that can induce a productive tension in the system and enhance the efficiency of social sector as a whole by allowing value-driven resource allocation with low transaction cost. There have been substantial progress and elaboration in conceptual discussions in this area in the past decade, but our aim is to be as practical as possible. That is, instead of dwelling too much on academic exercise of pursuing a perfect model, we focus on testing and getting feedback on a prototype of social value exchange that can be developed within our project's time frame. We believe that is where MBA students like us can add most value.

Among the most obvious issues in developing a workable model of social value exchange have been lack of proper information system and valuation mechanism. Despite all the recent attentions, talks and investments by social sector professionals, boiling down social impact to a set of indicators that can be compared across different objectives remains out of reach. It is not impossible to imagine that certain de-facto standards may emerge in a foreseeable future, but it will take time to reconcile diverse perspectives and needs. Moreover, due to the inherent complexity and diverse perception involved in the valuation of social impacts, formulaic valuation approach is extremely difficult and will require extensive information that would be prohibitively costly to produce and process.

Considering the limited time and resources at hand, our project needs to be very careful about the approach and must be highly goal-oriented. Therefore, we should first focus our efforts on designing a efficient and flexible system (=marketplace) that can process imperfect information and produce a reasonably good valuation, instead of spending our energy to understand the nitty gritty of making better information for formulaic valuation. Then, once establishing a workable valuation system with a sound information clearinghouse system, they should be linked to a resource allocation system with an efficient regulatory and supervisory system.

2007年12月7日金曜日

グローバル基準通貨・テラ

wha_man3さんのブログは欠かさずチェックしているのですが、"ゴールド、The Power of Goldの教えてくれたこと" は、金の価値についてでした。

確かに金本位制はアナクロとは思いますが、過剰ドルに依存して国際流動性を確保する現在の国際通貨体制も、持続可能性に大いに問題があるのではないでしょうか。

バーナード・リエターがドルに代わるグローバル基準通貨として提唱するTerraは、商品価格バスケット制通貨の一種ですが、これがなんともラジカルな設計になっています。みんなが「そうだと思えばそうなる」いかりの無い舟のようなゴールドやドルでなく、inherent valueを持つ一次産品のバスケットの価格に結びつけ、シニョレッジを無くすことによって、国際収支均衡機能およびインフレ防止機能が備わっている上に、デマラージ(マイナス金利)を組み込むことで、経済活動に長期的視点をビルトインすると謳われています。

画期的なアイデアのように聞こえますが、大きな欠陥を見落としているような気も。画に描いた餅にすぎないのか、または、そもそもこれでは、wha_man3さんの言う「成長通貨の供給という現代経済のエッセンス」に適応できないということなのか。もう少し考えてみないと。

2007年12月6日木曜日

Neighborhood Business Initiative

私が通うビジネススクールでは、秋学期の間に4-5人の一年生がチームを組んで、シカゴ周辺地域のNPOにプロボノでコンサルティングを行うNeighborhood Business Initiativeという課外活動が盛んです。私も10月から始まったこのプログラムに参加していましたが、一昨日めでたく成功裡に最終プレゼンを行い、クライアントの方々に喜んでもらうことができました。

青少年向けのプログラムを展開しているAlternatives Inc.という中堅のNPOが、初めての営利事業を立ち上げようと様々なビジネスアイデアの種を吟味した結果、有料のブレイクダンス教室を開くという案が選ばれたので、その採算性を測るために私たちのチームが招かれて、2ヵ月間で市場調査、競合分析、収益性シミュレーション等を行いました。

プロジェクトの内容が内容だったので、基本的には私の本業の経営コンサルティングで使っているフレームワークやアプローチを適用するのに特に困難もなく、またクライアントもとても協力的でしたので、全体的には難易度の低いケースだったと言えると思います。ただ、他のチームメートはコンサルティングの経験が全くないわけですし、授業、宿題、テスト、さらに来夏のインターン就職活動と、他にやること満載で彼らのコミットメントが低くなりがちな中で、クライアントを満足させる結果を出すのは当初思ったよりも大変で、私自身にとってもそういう意味では良い経験になりました。

なんだかんだと紆余曲折があっても、最終プレゼンが終わってクライアントが喜んでいる顔を見ると、「やっぱりやってよかったな」と思えます。

2007年12月4日火曜日

ロールモデル

最近のフォーチュン誌の"The Power 25"という記事とその中でのビル・ゲイツの扱いに関連して、町田洋次さんのブログに「(フィランソロピーを刷新しようとする)ゲイツの挑戦が他の起業家にも広がるのかどうかまだわかりませんが、アメリカの企業社会は社会に向かい始めた」とのコメントがあります。

私は現在MBA留学でアメリカに滞在していますが、社会起業やフィランソロピーに関するビジネスパーソンの関心の高さには目を見張るものがあります。一昔前のように、既に成功したビジネスリーダーが余力でフィランソロピーにも関心を持つというのではなく、バリバリ現役のリーダーたちや、将来のリーダーの卵たちも、本気で(ビジネスと同じくらいの比重で)社会へのインパクトを考えている人たちが、日本と比較して圧倒的に多い。(ただし、経済的合理性とビジネスマインドが世の中の全ての問題を解決できるかのようなナイーブな幻想を持っている人が多く目に付くというのも、また事実ではありますが。)ロールモデルとしてのビル・ゲイツの役割はこれに大きく貢献しているのは確かでしょうね。

会社の枠組みを超えて、一人の人間として、ゲイツのようなビジョンと実行力、波及力を備えたロールモデルになりうる可能性を持つビジネスリーダーというと、日本では誰がいるのでしょうか?(ぱっと頭に浮かぶのは、孫正義や、渡邉美樹とか…?)

2007年12月3日月曜日

Reengineering money

Martin Wolf's column on Financial Times on November 27 2007 ("Why banking is an accident waiting to happen") analyzes the moral hazard of the banking sector and says; "They go round regulations, just as water flows round an obstruction." That's exactly what will happen even if higher capital requirements are introduced or scrutiny of big banks is intensified as proposed by him because of the way incentives are structured around the current fiat money system. This vicious circle and the economic and social instability it inflicts on the society will never end unless the root cause is addressed. What seems increasingly clear, to me, is that we should start earnestly considering alternatives to the current money system that necessitates privileged treatment of the banking industry as a public utility - in credit creation. Taking steps to promote local currencies based on mutual credit, which circulate in parallel with national currencies, and even to experiment with demurrage, as Bernard Lietaer has been advocating is worth more serious attention in order for our entire economic system to break the costly vicious cycle.

2007年12月2日日曜日

Social Value Exchange System concept


I am now working with my fellow MBA students and external partners on an independent project to develop a prototype of social value exchange system. The above is the diagram that I've developed to describe my initial concept, which we need to further refine. The key for a workable system is robust information flow, value-driven resource allocation, low transaction cost, design of incentives, and liquidity of transaction. Our plan is to start building and experimenting with the valuation and information clearinghouse modules in 2008 and proceed to develop the resource allocation and self-regulation modules in 2009.