2009年3月28日土曜日

ブラジルより - その4

Lua Novaの創始者、Raquel Barrosさん

イースターエッグ作りに勤しむ製菓事業チーム

人形製作事業チームの作業風景

  • 3月25日(水): 午前中Ashokaを訪問し、ブラジルでFull Economic Citizenshipイニシアチブを統括するAlan Delcourtさんと、今後の提携の可能性について話し合う。 午後は、Raymundo Magliano Filhoさん(元BOVESPA会長、現BM&F BOVESPA Institute会長)と会い、私達のプロジェクトの概要と現在での仮説を説明する。
  • 3月26日(木): ①World Business AcademyのSimone Ramounoulouさんとインタビュー。②NESsTのJeniffer Iversonさんと再会し、情報交換&提携体制を協議。③Luiz Maiaさん(元ABN AMROブラジルの会長で、現プライベートイクイティファームのCEO)と、Luiz Roberto Caladoさん(ブラジルの投資銀行の業界団体であるAssociação Nacional dos Bancos de Investimentoのマネージャー)と会い、SSE 2.0のコンセプトについてプレゼンを行い、意見交換。
  • 3月27日(金): サンパウロから車で1時間半ほど西に位置するSorocabaという町へ。行き場を失ったシングルマザーにシェルター(宿泊所)を提供し、自立のためのグループ起業支援を行っているLua Novaという団体を訪問。創始者のRaquel da Silva Barrosさんとのインタビューの後、シェルターや様々な起業グループの現場を見学。
  • 3月28日(土): 充実しまくりの春休みも終わり。 今日夕方の飛行機でサンパウロを発ち、明日朝にはシカゴに戻る。来週月曜からMBA留学最後の学期の授業が始まる。

シカゴに戻ってから、SSE2.0の制度の草案を設計・提案します。その1で書いたとおり、現在BM&F BOVESPA本体の状況が流動的なため、ちょっと見通しが立て辛いのですが、Celsoさんとの話では、今夏またブラジルを訪れSSE2.0の実行準備を手伝って欲しいと打診されています。

2009年3月25日水曜日

ブラジルより - その3

ブラジル滞在もあっという間に2週目に突入。残り日数が少なくなってきました。
  • 3月22日(日): 翌日のディスカッションに備えて、資料作成に深夜過ぎまで精を出す。
  • 3月23日(月): 朝から、Celsoさんと、BM&F BOVESPA Institute(BM&F BOVESPAのCSR活動を担当する組織)のスタッフ、それにドイツから訪れているMichel Alouiさん(新興市場で成功をおさめた元ベンチャー経営者で、現在は自ら創設したBrandStiftungという財団のCEO)とミーティング。これまで得られた知見を共有し、そこから考えられる仮説について話し合う。午後は、①Nelson Spinelliさん(元BOVESPAの副会長。現在はBM&F BOVESPA Instituteの副会長であり、独立系大手証券会社のCEO)と、②Fernando Rossettiさん(Group of Inistituites, Foundations and Enterprisesの事務総長)とインタビュー。
  • 3月24日(火): 朝サンパウロを発ち、車で3時間ほど北東に位置するCunhaという町に向かう。環境保全、有機農法の指導、それに有機作物の販売支援を行っているSerra Acimaを訪れ、CEOのMarcelo Michelsohnさんと、財源確保の問題や今後の戦略について話し合う。実際の指導現場にも足を運び、農民の方々から、なぜ有機農法に関心を持ったのか、有機農法に転換するにあたってどのような懸念や困難があるのかなど、聞き取りをする。

Cunhaの農家にて

___________________________________________

一月上旬にCelsoさんと、SSE2.0(寄付プラットフォームであるBVS&Aを第一世代として、より本格的に市場メカニズムを活用した第二世代のSocial Stock Exchange)の構想について初めて話し合った時は、周囲で色んな人が、「あれも考慮しなくてはならない」、「これも検討しなくてはならない」、とレベル感の異なるバラバラなことを言っていて、何が核心の問題で、具体的にどこからどうやって手をつけてよいのか分からず、五里霧中の状態にいるように見えました。

そこで私たちは、①ユヌス氏がああ言っているとか、GEXSIはこう言っているとかは、一旦置いておいて、ブラジルの現状に合致したメカニズムは何かをゼロベースで考える(例えば、株式市場が本当に最適解なのかという根本的なところから検証の範囲に含める)ことと、②提供する側の理屈ではなく、ユーザー側(この場合は、ソーシャルビジネスと出資者)の視点で設計を行うことを提案し、そのために、以下のようなプロセスでプロジェクトを進めることにしました。

  1. 基本方針の明示化と確認: 今までに無い金融の仕組みをつくろうというのですから、制度設計において考慮しなくてはならないこと(変数)は山ほどあります。ですからまずは、動かない軸足をどこに置くかを決める必要があります。私たちは最初の数回のディスカッションやQ&Aを通して、彼らが何を目的としてこのSSE2.0をつくろうとしているのか、基本理念や方針、最低限これは満たさなくてならないという条件、など暗黙の了解となっていたものをあぶり出して言語化し、話し合いの上で再確認・共有するという作業を行いました。
  2. 設計変数の洗い出しと優先順位付け: 次に行ったのは、制度設計の肝となる変数は何かを考えて、タスクの全体像を把握し、それに優先順位をつけることでした。リターンやリスクと言った金融商品設計の根幹の話から、管理・監督体制といった話まで、一緒くたにして扱っていては、いつまでたっても話が進んで行きません。ですから、一番最初にどこまで考えるのか、その次にはどのイシューに答えを出して、後回しにして良いのは何かを明確にしました。その上で、重要な設計変数について、それぞれふり幅はどのくらいで、その間にどのようなオプションがあり得るのかを整理しました。
  3. ソーシャルビジネス側と出資者側の双方のニーズの把握と制約条件の理解: ブラジルのソーシャルビジネスと潜在的出資者を対象に、実際に彼らがそれぞれどの設計変数を重要だと考え、どのオプションを選好するのかを理解するため、簡易コンジョイント分析を含めたオンラインアンケートを実施しました。さらに、今回こうしてブラジルに来て、多様なステークホルダーとのインタビューを通して、オンライン調査から得られた情報への肉付けと、ブラジルのビジネス環境、金融事情、非営利組織およびソーシャルビジネスを取り巻く文化と制度といった背景の理解に努めているというわけです。
  4. 制度案の提示: 今週土曜日にシカゴに戻ってからは、今回のフィールドトリップで得られた知見を整理するとともに、オンラインアンケートの分析結果と照らし合わせ、それを基に、ソーシャルビジネスと出資者双方のニーズをより良く満たすことができる制度の草案を設計・提案します。つまり、1で確認した事項を軸足に、3で得た情報を使って、2で洗い出した変数について最適化するという思考の流れになります。
  5. 実行プランの作成: コアとなる金融商品や取引プラットフォームを成り立たせるためには、どのような手順をとらなくてはならないか、また必要とされる付帯サービス(例:会計トレーニング、ビジネスコンサルティング、監査)を提供するためには誰が何をするべきかを提案します。

私も相棒のTも、これだけ画期的で注目度も高いプロジェクトに関わり、ほとんどフリーハンドで思い通りにやらせてもらっているので、とても大きなやり甲斐を感じています。

2009年3月22日日曜日

ブラジルより - その2

現在のBVS&Aに参加している二つのソーシャルビジネスを訪問して来ました。目的は、彼らの事業のビジネスモデルを理解し、今後のビジネス展開の計画や、それにともなう資金需要を話し合うこと。また、現在ブラジルの社会起業家が資金調達においてどのような困難やニーズを抱えているのか、率直な意見を聞かせてもらいました。

マテ(南米特産のお茶)を飲みながら、新規事業の要の都市部住居向け電力管理装置について説明してくれるFábioさん
  • 3月19日(木): ブラジル中でクリーンエネルギーのトータルシステム(発電・蓄電・管理の装置)をレンタルする事業を行っているIDEAASを訪問。創始者のFábio Rosaさんは、Ashoka Fellowの最古参の一人で、『未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家』などでも紹介されているのでご存知の方も多いかもしれない。最近できたばかりのトレーニングセンターで彼と会い、今計画中の営利ビジネスのアイデアなどについて話しあう。夜Florianopoilisに飛ぶ。
  • 3月20日(金): 農村の活性化のため、有機農業と農村観光(アグロツーリズム)を合体させた事業を行っているACOLHIDAを訪問。参加している農家もまわり、組織の運営や資金繰りについて話を聞かせてもらった。ACOLIDA側に英語が話せる人がいなかったけど、幸い随行してくれたリーダーのThaise Guzzattiさん(因みに彼女もAshoka Fellow)と私の相棒のTがフランス語を話せたため、「ポルトガル語→Thaiseさんがフランス語で通訳→Tが英語で通訳→私が英語で質問→Tがフランス語に通訳→Thaiseさんがポルトガル語で質問」というバベル状態だったが、なんとか役に立つ話を聞きだすことができた。
  • 3月21日(土): 早朝サンパウロに帰着。一週間のまとめと来週の計画のため、週末はじっくり考えることに時間を費やすこととする。

ACOLIDAメンバーの農家で振舞っていただいたtoucinho do céuは究極のメニュー入り確実の絶品!

___________________________________________

それにしても、今回のプロジェクトは、「タイが社会株式市場の創設を準備中」という記事を、私がネット上でみかけたことがそもそもの発端でした。

私は一昨年来、友人達と社会貢献価値市場のビジネスプランを書き、様々な関係者と会ったり関連文献の研究を続けてきていて、(ちょっと大口を叩かせてもらえるならば)「この分野については自分よりよく理解している人間は世界中でもそうそういないだろう」くらいの自負を持っていたので、是非ともこのタイでの動きに何らかの形で関わりたいと考えました。そこで、記事に名前が出ていたアジア開発銀行GEXSI、それにタイのThammasat UniversityThe Population and Community Development Associationに、これまで私がこの分野に関連してやってきたことを説明したメールと履歴書をダメモトで送ってみました。

すると、GEXSIのCEO(当時)のMaritta Koch-Weserさんから返事が来て、「タイの案件はまだまだ関係者間の話し合いが始まったばかりで、ビジネスコンサルタントの手助けを必要とする段階ではないけど、ムハマド・ユヌス氏が提唱しているような本格的なソーシャルビジネス向け株式市場をつくる動きがブラジルで進行中なので、そちらを手伝ってくれないか」という願ってもない提案をいただき、Celso Greccoさんに紹介されました。

私としては、今まで考えて温めてきたアイデアを実践に役立てることができるまたと無いチャンス。喜び勇んで、いつもこの手のプロジェクトで組んでいる友人のTに声をかけたところ、もちろん参加するとの即答。

早速、予算獲得のため色々と動き回った結果、BM&F BOVESPA からブラジル国内での視察旅行の全経費を、そしてうちの学校のLevy Social Entrepreneurship Labからシカゴ-サンパウロ間往復の渡航費およびサンパウロでの滞在経費を、それぞれ支給してもらうことができることになりました。

2009年3月19日木曜日

ブラジルより - その1

前回のエントリーで書いたとおり、今ブラジルに来ています。

  • 3月16日(月): 期限ぎりぎりでValue Based Leadershipの授業のtake-home examを提出し、夕方あわただしくシカゴを発つ。
  • 3月17日(火): 朝サンパウロ到着。午後BM&F BOVESPAでミーティング。ブラジル側チームと、この2週間の予定確認および期待する成果についての意識のすりあわせをする。
  • 3月18日(水): 午前中休息。午後は①Instituto de Estudos do Trabalho e Sociedadeというシンクタンクのスタッフでマイクロファイナンスを専門とする方、②社会起業家を育成するNESsTのスタッフ、③Fundação Getulio Vargasのビジネススクールの教授、の3人とインタビュー。夜、Porto Alegreに飛び、深夜過ぎにホテルにチェックイン。

という具合に、忙しく走り回っています。

___________________________________________

さて、一体何しにブラジルに来ているのか、ちょっとこのプロジェクトの背景について改めて説明しときましょう。

一言でいえば、コンサルティングプロジェクトで、クライアントはBM&F BOVESPA(サンパウロ証券取引所)。昨年5月、株式市場のBOVESPAと先物市場のBM&Fが合併。世界屈指(ラテンアメリカでは最大)の規模を誇る証券取引所です。

2003年、BOVESPAは、ありきたりの寄付活動に飽き足らず、もっとイノベーティブでユニークな形で社会貢献をできないかと考えていました。そこに、CSRやソーシャルマーケティングのコンサルに特化するAtitude Marketing SocialCelso Grecoさんが、「社会株式市場(Social Stock Exchange)」をつくることを提案し、BVS&A(Environemntal and Social Investment Exchange)が創設されました。

ところが実際には、BVS&Aは株式を扱うわけではなく、その本質は、Globalgivingなどと同じ寄付プラットフォームです。一般投資家が理解しやすい株式市場の用語を使い、さらに本物の証券取引所が手がけているということで、Newsweekを始め一部では「世界初の社会株式市場」とも呼ばれていますが、Celsoさんは、BVS&Aのコンセプトをさらに発展させて、本当の意味での社会株式市場をつくりたいと考えていました。

そんな中、2006年のノーベル平和賞受賞スピーチなどで、ムハマド・ユヌス氏がソーシャルビジネスのための社会株式市場設立を提唱し、それを推進するため、シュワブ財団やベインなどの支援によって、ダボスの世界経済フォーラムでGEXSI(Global Exchange for Social Investment)が設立されます。こうしたグローバルな追い風もあって、BOVESPAはCelsoさんのアイデアに賛同し、ゴーサインが出ました。

しかし、極めて抽象的なコンセプトとしては多くの人が魅力を感じているけども、どうすれば実際に機能する社会株式市場がつくれるのか、具体的なデザインを考え始めると疑問が山積み。だれもやったことがないし、だれに聞いても答えが出てこず、これはユヌス氏とて同様。

抽象論を離れ、具体化に向けた取り組みとして最も先頭を走っているのが、英国のMark Campanale氏やPradeep Jethi氏が設立準備を進めているSocial Stock Exchange Ltd.だと思います。社会株式市場の実現可能性を探るため、ロックフェラー財団から50万ドルもの支援を受けて、本格的な市場調査を行いました。

一方、BOVESPAは、昨年のBM&Fとの合併以降、まだリーダーシップの移行などが続いていて、なかなか調査だけのために大きな投資に踏み切れる状況ではありません。そんな折も折、私たちがGEXSIを通してCelsoさんに紹介され、お互いの関心・ニーズが見事に合致して、今回のコンサルティングプロジェクトが始まることになったというわけです。

2009年3月14日土曜日

ブラジル映画

今週で冬学期の授業も終わり。まだレポートがいくつか残ってますが、何はともあれ来週からは春休みです!

昨年の春はGlobal Health InitiativeのHIV検査装置市場調査プロジェクトでタンザニアに行きましたが、今年も春休み返上して、Independent Study(自主研究)のプロジェクトでブラジルに行ってきます。BM&F BOVESPA(サンパウロ証券取引所)が、ソーシャルビジネス向け株式市場の創設を企図しており、私たちのプロジェクトはゼロベースでその制度設計を行うというもの。

現実のニーズに合致した金融商品や制度を設計するには、その国の社会・経済の事情を理解していないといけませんが、ブラジルにはこの年末年始にかけて2週間ほどリオに滞在しただけ。ということで、少しでもブラジルに関する理解を深めたいと思い、レポートやネット上で得られる情報を読むだけでなく、最近は暇を見つけてはブラジル映画を見まくっていました。

以下、私が見た全12タイトルの独断ランキング。

  1. City of Men (TV版): 2002年から2005年にかけてブラジルで放映され、国民的人気を博したTVシリーズ。1話30分、全19話。次に紹介するCity of Godを大ヒットさせたKátia LundとFernando Meirellesの監督コンビによる作品で、舞台も同じリオデジャネイロのスラム街。City of Godよりも軽快でコミカルなタッチで、アセロラとラランジーニョという二人の少年の成長過程を追いながら、ブラジルの抱える様々な社会問題についても考えさせてくれる。ブラジルを訪れる全ての人におススメしたい。
  2. City of God: 2004年のアカデミー賞で4部門にノミネートされ、最近のブラジル映画では国際的に最も有名な映画なので、今さら説明もいらないだろう。90年代前半の最も荒れていた頃のリオのスラム街を舞台にしており、暴力や犯罪を正面から扱いながらも、スラム街に住む人々の生活を複層的に描いている。映像も、なかなか見せ方を工夫していて、飽きさせない。
  3. Four Days in September: 1969年に軍事政権下で起きたアメリカ大使誘拐事件を題材にした映画。97年のアカデミー賞外国語映画部門ノミネート作品。
  4. Favela Rising: 音楽を通じてスラム街の青少年たちを育むAfroReggaeというグループを題材にした、ドキュメンタリー映画。主人公のAnderson Sáの人生は、できすぎじゃないかと思うくらい、とにかく劇的で、時にボブ・マーリーを髣髴させるほど。彼と共に行動し、支えあう周囲の仲間たちの信頼と友情も素晴らしい。
  5. Bus 174: 地味ながら丁寧につくりこまれたドキュメンタリー映画で、見たあと考えさせられずにはいられない。2000年にリオのダウンタウンで起きたバスハイジャック事件を題材にしながら、その背景にある社会問題にスポットライトを当てていく。
  6. City of Men (映画版): 映画版はTV版から2年後のアセロラとラランジーニョを描く。これはこれで十分楽しめるんだけど、映画化にあたってCity of Godをちょっと意識しすぎたのか、ブラジル社会の様々な側面を、時に面白おかしく、時に深刻に見せてくれたTV版の絶妙のバランスは崩れてしまっている気がする。
  7. The House of Sand: ブラジル北東地域の海岸部の砂漠が舞台。1910年から1969年にわたり、母・娘・孫娘三代の物語が、叙事詩的に淡々と進んでいく。個人的には、こういう映画嫌いじゃない。
  8. Chronically Unfeasible: ウィットのきいた社会的な警句を織り交ぜながら、ブラジルの色んな地域の色んな人たちの話が交錯する。どこかウッディ・アレンの作風に通じるものがあるかも。
  9. The Middle of The World: 貧しい北東部から、仕事を求めてリオデジャネイロを目指し、自転車で旅をする7人家族に関するロードムービー。ちょっと偏屈でプライドが高いお父さん。やさしいお母さん。お父さんとなんだかソリが合わない長男。見た後、少しほろ苦く、少しほのぼの。
  10. Almost Brothers: 黒人のギャングと、白人の政治運動家。幼なじみの二人の人生は、離れては交差し、交差してはまた離れていく。人種、階級、政治、家族、友情、色んな要素が錯綜しながら物語が展開するが、なんだか結末があっけなさすぎ。
  11. Antonia: サンパウロのスラム街に住む四人の幼なじみの女の子たちが、歌手をめざし、挫折し、またもう一度力を合わせて夢に向かって走り出す…的なお話。あまりひねりも無く、やや平面的な印象。
  12. Ile Aiye (The House of Life): アフリカにルーツを持ち、ブラジルの特に北東部で盛んな、Candombléという宗教/文化に関するドキュメンタリー映画。儀式の様子はハイチで見たブードゥーの儀式に似ている。昨年の大晦日、リオのコパカバーナ海岸で、海の神に向かって花束を捧げている人たちを多く見かけたが、あれも多分Candombléに関係あるのかな。

恥ずかしながら、私はこれまでブラジル映画を一度も見たことが無かったのですが、全体的にクオリティが高く、感嘆させられました。