2008年11月4日火曜日

スタディトリップを敢行!

現在自動車業界では、急増する組込みエンジニアへの需要を、
  1. 社内または子会社
  2. 国内ソフトハウスへのアウトソースまたは派遣会社
  3. インド・中国等へのオフショア
で対応していますが、概して他業界に比べて2や3の取り組みが遅れています。1>2>3の順で円滑なコミュニケーションやクオリティの確保もしやすい反面、コストも高くなります。また、フレキシブルな労働力調整(現況では特に人員増加)が可能なのは逆に3>2>1の順になります。

そうすると、単純に言えば、2と同等または少し高いくらいのコストでも、1とほぼ同等のクオリティを提供できれば十分勝算があるといえそうです。そのためには、一番の工夫のしどころになるのが、高機能自閉症やアスペルガー症候群の人たちが本当に能力を発揮でき、それを顧客企業に評価してもらえるような環境・システムの作りこみだと考えています。
  • トレーニング
  • 業務プロセス
  • プロジェクトマネジメント体制
  • 顧客とのコミュニケーションインターフェース
  • オフィス環境
といった諸要素を、高機能自閉症やアスペルガー症候群の方の特性にあわせ、なおかつ顧客のニーズにより良く応えることができるように、根本から見直してデザインしなおす必要があります。

この数週間で日米の自動車業界、組込みソフト業界、それに自閉症支援専門家の方たちにインタビューをしまくって、「これは行けそうだ」という感触がだんだん強まってきました。しかしそうは言っても、やはり現場を見ないことには、どうにもピンと来ないことが沢山あります。

そのため、思い切って今月後半のサンクスギビングの休暇を利用して、Sさんと私で日本の自動車部品メーカーやソフトテスト会社を訪問することにしました。訪問先の企業から、いくつか見学OKとのお返事をいただき、目下日程を調整中です。

ただ、できるなら自閉症の方の就労支援に詳しい方と一緒にこうした現場を訪問できれば、収穫は数倍になるはず。この分野で著名な大学教授数人ともお話させていただいたのですが、生憎なかなか日程が合いませんでした。

というわけで突然ですがこの場を借りて、11月24日の週で、東京、大阪、名古屋の各地で、私たちと一緒に企業訪問をしてくださるボランティアを募集させていただきます。もしも、このブログをお読みの方のお知り合いに、

  • 自閉症者の就労支援の専門家(特に高機能自閉症、アスペルガー症候群)
  • 自閉症スペクトラム支援士
  • ご自身が高機能自閉症、アスペルガー症候群で、ソフトウェア開発のご経験がある方

がいらっしゃったら、是非ご紹介いただけると有難いです。

4 件のコメント:

  1. 単純な疑問なんですが、なんで敢えて"自閉症スペクトラム支援士"なんですか。

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  2. > tottemoさん

    うーん、「なんで敢えて」と問われると...正直あまり特別な考えがあるわけではないのですが (;^_^A

    『自閉症の理解と支援に関する基本的な知識を有しており、自閉症児者への支援を一定期間行っている人材あることを示す。』

    という資格だということですので、その知識を借りさせていただくことができればな、ということです。

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  3. 私の見方が偏っている可能性も否定できませんが、この資格、どちらかというとマイナーな資格だと思っています。この資格をもっている人は大概、他にいくつも資格を持っていて、さらに、というとりかたをしているのではないかなあ…という印象があります。
    今、この業界、いろんな資格が林立してて、どこの学会も、お金儲けのためのような学会認定資格なんかを沢山作っているんですよね。とにかく、国家資格も含めたメジャーな資格だけでも二桁、もっとマイナーなのでは沢山、というくらい、関係の資格があると思います。
    別に、自閉症スペクトラム支援士がどうだというわけではなくて、きっと沢山の優れた支援者の方が資格を取得されているんでしょうけれども、それに限らず沢山の色々な資格について、結局取得するのに何が一番必要か、って、結局はお金だったりするんですよね。かくいう私も、他の資格について、一応試験を受けて結果待ちという身分なので何とも言えんとは思ってるんですけどね、でも、比較的安く済むその資格だって、受験のためだけで家賃より沢山かかりました。友人が取得した他の資格では、結局総額でもう一桁上かかったんじゃないかと思います。自閉症スペクトラム支援士についても、取得と更新にかかる費用は、まあそれなりということみたいです。
    別に、その資格取得の費用が高いことそのものが問題というわけではなくって、現実として、一つ資格を持っていれば、名刺には書けるしそれで十分、というようなことになるんですよね。そういうことになると、更新は面倒だし(講習に一定時間参加しないといけないから)、敢えてそんな資格を取っている間に、しっかり仕事しよう、っていう、支援の専門家も、少なくない筈です。どの資格をもっているからといって、支援の専門性が変わってくるわけではなく、むしろ、同じ資格を持っていても、得意分野は全く異なります。自閉症スペクトラム支援士の中にも、強度行動障害などを専門とする、どちらかというと知的に重い自閉症の方の支援にしか経験のない方も多いはずだし、あるいは、乳幼児のほうに専門性を持っていらっしゃる方も多いでしょう。また、自閉症スペクトラム支援士に限らず、他の資格によって、あるいは無資格ででも、発達障害のある成人の就労支援に専門性を持っていらっしゃる方は、各地にいらっしゃるはずです。『自閉症の理解と支援に関する基本的な知識を有しており、自閉症児者への支援を一定期間行っている人材』なんていうのは、ごまんといるんです。だから、資格がどう、というより、その人の専門性の問題のほうが大きくなります。
    そういう背景を思うと、どちらかというとマイナーなこの資格を募集の対象にされたことに、疑問を感じただけです。社会起業というのは、私たちの領域にとってとても重要な可能性を秘めいている事項ではありますが、そうした分野を専門とされている方たちにとっては、どちらかというと、こちらの福祉や教育といった分野の状況は、伝わりにくいかな…という認識があり、その視点から、気になっただけですが。

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  4. > tottemoさん

    ご教示頂きありがとうございます。他にどんな資格があるのか等は浅学にして知らないもので、こうしてご指摘いただけると勉強になります。

    私たちとしても、特に自閉症スペクトラム支援士という資格にこだわるつもりは毛頭ありません。資格の有無に拘らず「自閉症者の就労支援の専門家(特に高機能自閉症、アスペルガー症候群)」という要件に当てはまる方のご協力を得られればまずは言うことなし。それが難しい場合には、少し専門性がずれても、『自閉症の理解と支援に関する基本的な知識を有しており、自閉症児者への支援を一定期間行っている人材』が見つかれば、と思いとりあえず知っている資格として自閉症スペクトラム支援士を挙げました。

    仰るとおり、この分野についてもっともっと知らなくてはならないことが沢山ありますので、今後もお気づきになった点があれば是非教えてください。

    ところでtottemoさん、11月24日の週のご都合は如何ですか??(^ ^;)ゞ

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