2008年10月20日月曜日

社会起業で、高機能自閉症の方のニーズに適合した職場環境を - その1

社会貢献価値市場のプロジェクトを昨年から一緒に進めてきた仲間の一人に、日本人のSさんがいます。今年の6月だったか、その彼から「プロジェクトを抜けようと思っている」という話が出ました。理由をきくと、「高機能自閉症の人に快適な就労機会を提供する社会起業をしたいと考えていて、MBA二年目はその準備に集中したい」とのこと。

Sさんの息子さんは、昨年彼が渡米する直前に自閉症と診断され、現在も奥さんと息子さんは日本にいます。一口に自閉症といっても、症状の現れ方は様々です。一般的には自閉症というと知的障害を伴うイメージが広くいきわたっていますが、知的能力が低くない自閉症者も実は多く(一説には75%)、「高機能自閉症」とか「アスペルガー症候群」といわれます。この二つの厳密な区別は難しいのですが、Sさんの息子さんもそうしたケースです。

こうした人たちは、健常者と比べて全く遜色ない知的能力を持っていても、対人コミュニケーション能力が弱いなどの自閉症特有の困難を抱えているために、多くの職場では受け入れられず、失業率がとても高いのが現状です。

しかし、デンマークにあるSpecialisterneという会社では、高機能自閉症やアスペルガー症候群の人たちが持つ「繰り返し作業で発揮する高い集中力」、「微細な異変・異常を感知する鋭敏性」、「几帳面さ」といった能力を積極的に活用して、マイクロソフトやオラクルなどのソフトウェア会社からデバッグ業務を受託するサービスを提供し、ビジネスとして成功しています。実は、CEOのThorkil Sonne氏の息子さんも高機能自閉症で、彼らが生産的に仕事をできる職場を創りたいという思いから、Specialisterneを興したそうです。

SさんもSpecialisterneのモデルを基に、日本で会社をつくることはできないかと考えていました。

3 件のコメント:

  1. 人を組織に当て込むのではなく、組織を人に合わせて作っていくとでもいいましょうか。
    そんな素晴らしい事例があるんですね。
    お教えいただきありがとうございます。

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  2. まさしく、それこそSpecialisterneのモデルの魅力ですよね。

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  3. http://www.wingle.co.jp/

    自閉症ではありませんが、このウイングルという会社も障がい者の雇用促進を目指して活動していますよ。
    参考になれば幸いです。

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