ビジネススクールのネットワークというものはありがたいもので、今回のアフリカ旅行でも、行く先々でケロッグの友人から紹介してもらった知り合いや、現地で活躍している卒業生に会って、各国の社会事情や経済環境、ビジネス機会について話を聞くことができることになっている。
今日会ったDaniel Szlapakさんは、2000年度の卒業生で、祖父の代からナイロビでホテル業を営むFairview GroupのDirector。
外国人投資家が今注目すべきケニアにおけるビジネスチャンスとして、以下の5つを挙げてくれた。
- ナイロビで中間価格帯を狙ったホテル: 東アフリカ地域の中心都市であるナイロビは常にホテル需要が高いが、今のところ高価格帯(4-5つ星)と低価格帯(1-2つ星)のオプションしかなく、中価格帯の顧客ニーズを満たすホテルがほとんど無い
- ISPの国際展開: これまで国内では光ファイバーの敷設が進んでいたが、肝心の海外のインターネットに接続する回線が衛星に頼ってきた。このため、ケニアだけでなくケニアを経由してインターネットにつながる東アフリカ各国でも、インターネットサービスは低速で高額のまま。この状況が、つい先日開通した光ファイバーの海底ケーブルにより一変する。特に、ISPは規模の経済を追求しやすいビジネスなのに、これまで国境をまたぐプレーヤーがいなかったが、今後は域内の淘汰・統合が進む
- コールセンター: 流暢に英語を話す人口が多いケニアでは、光ファイバーによる通信コストの低下に伴い、インドのようなコールセンター業務を海外から受注するビジネスが競争力を増すと見られている
- 太陽光発電: 電気の通っていない地方はもちろん、都市部でも電力供給は不安定で、経済発展の障害となっている。日照の豊富なケニアなのに、太陽光発電に本格的に取り組んでいる会社がまだ出てきていない
- 野菜および果実の栽培: コーヒー、茶、花卉の輸出が盛んだが、どれも近年国際競争が激化し、コモディティ化と価格低下に悩んでいる。一方野菜や果実は多く輸入に依存しており、国内価格は高い。これらを国内で生産すれば、国内および域内マーケットのニーズを充たすことができる上、コーヒーなどの既存のルートを使って輸出も可能。ビジネスとしての農業が現在抱える一番の問題は、零細農家が質・量ともに安定した供給をできないこと
ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジの五ヶ国で構成する東アフリカ共同体が2015年を目標に共通通貨を導入するため準備を進めているなど、東アフリカ地域の経済統合の機運は高まっている。しかし、ほとんどの業界で実際には国際展開が進んでいない理由として、ビジネスマンの視点から、①各国でバラバラの規制、②労働文化の違い、③人材不足を挙げていた。特に人材不足の問題は深刻なようで、企業のためのトレーニング業務のアウトソースというのも需要が高そう。
共同通貨制度を導入しようというのが興味深いです。
返信削除アフリカから日本への輸送費がもっと安くなるといいのになぁ。
やっと光ファイバーが増設されていきますか。
返信削除これまでの太さ(4MBくらいでしたか)では通信も厳しいですし、電話が切れることも多々ありましたもんね。
東アフリカとしてはソマリアも落ち着いてくれるといいですね!
> あまがえるさん&Anonymousさん
返信削除アフリカから日本へもそうですが、アフリカの国の間での輸送や通信が安く、早く、信頼できるようになると、その効果は大きいですよね。