今日はミーティングが3つ。
1. Technoserve Kenya
- 行政サービス、警察、交通などの社会システムが健全に機能していなくても、富裕層はコネやカネを駆使して必要なものやサービスを手に入れるし、貧困層は社会システムに依存しないで生活していく手段(ヤミ経済、非合法活動など)を見つけ出す。自分たちのような中間層は、否応なく税金を払わされ、かといってその対価となるサービスは得られない。汚職・腐敗と非効率だらけで機能していない社会システムを変えていくには、一番しわ寄せを受けている中間階級が、「これではだめだ」と声を挙げて行動していくしかいない
- K-Rep BankやEquity Bankのようなマイクロファイナンスに重点を置く新しいタイプの銀行のおかげで、地方の低所得層も金融サービスが受けられるようになり、生活改善に目に見えた成果を発揮している。しかし、グループ単位の貸付を主とするマイクロファイナンスでは、個人の多様なプランやニーズに対応するのが困難であり、またコミュニティ内で信用の蓄積が少ない若年層はその恩恵を受け辛くなっている
こうした普通の人の普通の話を通訳抜きで聞けるのは、都市部だけでなく地方に行っても英語を堪能に話す人が多いケニアのいいところ。レストランやバスで隣に座った人や、タクシーの運転手さんからも色んな情報を得ることができる。
3. Judith Muturiさん
Judith Muturiさんと夕食。彼女は、大学生の時アメリカに渡り、卒業し投資銀行に勤めた後、WhartonでMBAを取得し、昨年末ケニアに帰国。今はプライベートイクイティ・ファームの中でも新興経済への投資に特化しているAureos Capitalのケニアオフィスで、アフリカのヘルスケア・セクターの企業に投資するHeath in Africa Fund の運用チームに参画している。
このHealth in Africa Fundは、資本を世銀グループのIFCやアフリカ開発銀行などから調達している。Acumen Fundの出資者は(少なくともこれまでは)経済的リターンを求めない慈善資金だったのに対し、こちらのファンドの運用には、開発への効果と経済的リターンの両方がシビアに求められる。
「インパクト・インベストメント」という、寄付でもなく、利潤追求を至上目的とする投資でもない、社会的価値創出のための投資へのムーブメントの最先端を切り開く仕事で、何ともエキサイティング。
いたく関心をそそられ、アフリカでのPEやVCの現況について色々と話を聞いた。特にベンチャーキャピタルや中小企業(SME)投資に特化したファームに興味が湧いてきた。