英エコノミスト誌をして"a scarily perfect presidential candidate (恐ろしいほど完璧な大統領候補)"とさえ言わしめた彼は、
- キリスト教徒から異端とみなされるモルモン教徒である
- 党内では穏健派とみなされている(予備選では不利)
- 全国的知名度が他候補(マケイン、ジュリアーニ)に比べて劣る
という3つの大きなハンディキャップを抱えていたにも拘らず、昨年の共和党指名候補争いで大健闘しました。結局マケインに敗れたものの、すでに次の大統領選の有力候補としても注目されています。
ベイン・アンド・カンパニーの元CEOにして、ベイン・キャピタルの共同創業者でもある彼の経済・財政政策の手腕は高く評価されており、今の経済危機がもう少し早めに火がついていたら、あるいはダークホースのハッカビーが予備選序盤であれだけ躍進していなかったら、オバマはともかく、マケインには勝てた可能性が十分にあったのではないかと思います。
そんな彼から、つい数週間前に、「ビジネススクールの学生と、現在の経済危機について話をしたい。大人数相手の一方的な講演ではなく、少数の学生と膝をつめて率直な意見交換をしたいのだが」というリクエストがケロッグに来ました。希望者の中から書類選考で選ばれた25名の学生のグループの中に、運良く私も入ることができ、一昨日彼とのラウンドテーブル・ディスカッションに参加しました。
一応オフレコのミーティングということになっているので、話した内容はあまり詳しく書けませんが、経済危機への対策に関する話を中心にしつつも、時に冗談や裏話などを交えながら、終始楽しく和やかな雰囲気の中、議論がはずみました。
彼に会って考えたのは、「人間の器」というもの。ちょっと失礼な話ですが、随行していた(普段はそれなりに立派に見える)我が校の教授も、彼の隣に座ったとたんに、相対的に貧相で卑小に見えてしまいました。
あの違いは何なんでしょう。実績に裏付けられた自信とか、知性とか、ましてや単純にルックスの良さとか、そういったことだけでは到底説明できそうにない。
「オーラからして違う」というのはこういうことかと、実感。良い刺激を一杯受けました。
メディアでは、しばしば彼は「やり手だが、面白みのない堅物の優等生」というイメージで描かれることが多いように見受けられますが、実際に会ってみて、とても知的で説得力があるだけでなく、強いカリスマ性と誠実さ・人間的魅力も兼ね備えている人物だという印象を新たにしました。
いつか彼のような、柔らかく、澄んでいながらも力強いオーラを発する人間になりたいものです。
素晴らしい経験ですね(^ ^)b
返信削除”澄んでいながらも力強い”のは魅力を感じます。
時間の共有自体が『何か』を得ることが出来る、そんな人との出会いが出来たこと、素晴らしいですね。
返信削除自分は、お恥ずかしいながら、ミット・ロムニーという方自体を、存じ上げませんでした。
そのような方をお教えいただけたこと、そしてその体験を共有させていただいたことに感謝いたします。
> あまがえるさん
返信削除なかなかお目にかかれないタイプだけに、魅力的ですよね。
> ササさん
日本ではあまり知られていないんですね。まぁ、無理もないのかな。アメリカ人に日本の総理の名前を聞いても、ほとんど誰も知らないと思うし。
うーん、うらやましいですね。そういえば、同じベインアルムナイでコンチネンタル、バーガーギングなどのCEOをやった方(名前忘れました)のインタビューが数日前のNYタイムスに載っていて、なかなかこれも興味深かったです。東京からもそんなアルムナイがいつかは(you could argue that there are some even today including Advantage Partners founders...)
返信削除GO
> GOさん
返信削除↓この記事ですね。
http://www.nytimes.com/2009/03/15/business/15cornerweb.html?_r=1&scp=1&sq=bain%20continental%20burger%20king&st=cse
「It’s actually a great time for us as leaders to help people to step back and ask the question: “Where do I get the fulfillment in my life? And how do I make sure my job is a big piece of that?” 」という部分は特にその通りだと思いました。