2009年4月18日土曜日

「オマハの賢人」とのツーショット

「オマハの賢人」の愛称で知られるウォーレン・バフェット氏に会う機会があり、ネブラスカ州はオマハに行ってきました。



先月のミット・ロムニー氏との座談会の時と同じようなプロセスで、希望者の中から書類選考によって我が校から27人の学生が選ばれ、オマハで他校(シカゴ大、コロンビア大、MIT、他3校のビジネススクール)からやってきた学生たちと合流しました。

ご承知の通り、バフェット氏といえば米フォーブス誌による世界長者番付でビル・ゲイツに次ぐ2位の大富豪で、投資家の神様みたいに扱われている人物ですが、実際に会ってみると、一見素朴で実直な好々爺といった風情で、例えばレストランとかで隣に座ってても、ちょっと気付かないかもしれないと思われるほど。入ってきた途端に部屋中にカリスマがみなぎるようなミット・ロムニー氏とは対照的で、その辺りが、他の人に一目置かれてなんぼの政治家に転身して成功したビジネスマンと、我が道を行く投資理念と経営手腕だけを頼りに莫大な富を築いたビジネスマンの違いなんでしょうか。

でも話しはじめると、冴え渡る知性と円熟した知恵がほとばしり、さすがに一代で世界の経済界の頂点に登りつめた人物だなと納得。その中からいくつか心に残ったバフェット氏の言葉を紹介しましょう。

  • 「もしも25歳に戻ることができたとしたら、何をするか?」という質問に対して) 現実の人生でしたことと特に変わらないことをするだろう。人に雇われず(work for myself)、自分の好きな仕事をできれば(do what I love)それで良い。
  • 自分がうまくやってると思えることをできていればそれで幸せで、財産の桁が増えることなんて大切じゃない。(I was happy doing what I was doing as long as I felt successful, and the number of zeros didn't really matter)
  • 私がやっていることをするのには脳味噌はあんまり必要ない。もしもIQが130以上ある人は、超過分を誰かに売ってしまっていい。投資に重要なのは自分の頭で考える能力、それに必要な程度の知性、そして何より大事なのが近視眼にならないでいられる気質(temperament)だ。
  • 短期投資で勝てる方法を私は知らない。私は、勝ち方が分かっている自分のゲームで戦う。(I don't know how to win in short-term investments. I play my own game that I know how to win.)
  • 自分の子供達に各々の財団を用意した後、自由にやらせ一切運営や活動内容に口出しはしなかった理由として) フィランソロピーってのは長期で考えなくてはならず、2-3年で結果についてどうこう言えるものではない。
  • 環境の問題は深刻だ。既存の市場システムに手を入れて、未来の世代へのコストを勘案する(modify the market system to take into accout future costs)ようにしないといけないが、問題はそのやり方だ。いずれにしろ、人々に自己利益に反する行動を取らせるのは極めて難しい。私がオバマに投票した理由の一つは、彼はこの問題をより良く理解していて、人々が理解できるように説明し、説得する能力があると思ったからだ。
  • 「将来どの産業が発展すると思うか?」という質問に対して) 20年-30年後を見通して、どの産業が発展するか言い当てることは不可能に近い。インターネットがどれだけビジネスに影響を与えるか、95年当時ビル・ゲイツ等と話し合った時には誰も想像がつかなかった。ただ言えるのは、人間は人間の潜在能力をより良く活用できるシステム(system that unleashes human potentials)を生み出し続けてきたし、今後もそうし続けていくだろうということだ。

機知とユーモアに富んだ応答で、2時間余りにおよんだミーティングの時間はあっという間に過ぎていきました。昼食は、バフェット氏が長年通っているというPiccolo Pete's Restaurantで、彼の奢りでステーキをご馳走になりました。

その後、なんと参加した学生一人一人とツーショットでの写真撮影というサービスぶり。もちろん彼にとって一銭の得にもならないのに、いやな顔一つせず、200人近い学生と茶目っ気たっぷりに色んなポーズでの写真撮影のリクエストに応じる姿には感嘆させられました。信じがたいほど気さくな方で、人と接するのを心底楽しんでいらっしゃる様子でした。いやー、ほんと頭が下がります。

12 件のコメント:

  1. 素敵ですね!
    実に羨ましいですw
    イスラエル・パレスチナ問題にフォーカスしている僕としては、個人的にはpeaceworksのdaniel氏にインタビュー欲しいです☆

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  2. 素敵ですね!
    こんな超超一流の方とお話できる機会があるなんて!

    ちなみに個人的には,イスラエル・パレスチナにフォーカスしているので、peaceworksの
    daniel氏にあってほしいです☆

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  3. この間のロムニー氏との座談会もそうですが、本当に貴重な経験をなされていますね。
    正直すごくうらやましいです。

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  4. 素晴らしい!

    バフェット氏とお食事なんて、うらやましい限りです。
    IQ130はまだ敷居は高いかな?www

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  5. wowすっごい素敵!!

    ちょっと話からそれるかもですが、こんなことを言った人がいます。

    「結果次第でやる気がでるようなものは、やる価値のないものだ」

    I was happy doing what I was doing as long as I felt successful, and the number of zeros didn't really matter

    という言葉にちょっとつながるかなと思いました^^

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  6. 貴重な体験ですね!
    私も資産を最大限活用してcloudgrabberさんと同等の収穫を得ようと、ロムニー氏とバフェット氏の著書を実際に彼らと対談しているつもりで読んでおります。表情や声色はYouTubeの映像からの類推です。(笑)
    しかし、本人達の息遣いを目の前で感じながらお話を聴ける体験はやはり羨ましいです。

    遅くなりまして大変申し訳ございませんが、マイミク登録有難うございました。いつも記事が待ち遠しいです。

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  7. 貴重な体験ですね!
    私も資産を最大限活用してcloudgrabberさんと同等の収穫を得ようと、ロムニー氏とバフェット氏の著書を実際に彼らと対談しているつもりで読んでおります。表情や声色はYouTubeの映像からの類推です。(笑)
    しかし、本人達の息遣いを目の前で感じながらお話を聴ける体験はやはり羨ましいです。

    遅くなりまして大変申し訳ございませんが、マイミク登録有難うございました。過去記事、新着記事ともにいつも興奮しながら読ませていただいております。

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  8. 素晴らしい体験ですね。
    うらやましい!!

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  9. みなさん、コメントいただきありがとうございます!今回、彼の暖かい人柄に魅せられ、いつか一学生としてでなく、仕事の上でバフェット氏とまみえてみたいという抱負をもちました。今後とも応援いただけますようお願いいたします!

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  10. ウォーレン・バフェット氏、私もお会いしてみたいです。

    哲学があって、それを実行できる人生って素晴らしいと思います。

    Ayu

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  11. ツーショット写真、かっこいいぞ!(坊主頭やめたんだな。あっ、、古い話でごめん)
    MEN in BLACK のトミーリージョーンズとウィルスミスみたいにハマってるよ^^

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  12. > Ayuさん

    ほんとに、単に投資で大成功して巨額の富を築いたってことだけじゃなくて、その生き方、考え方に人を魅きつけるところがありますよね。

    > koheiはん

    ありがと。しかし、坊主頭っていったいいつの話を。。

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