2009年3月22日日曜日

ブラジルより - その2

現在のBVS&Aに参加している二つのソーシャルビジネスを訪問して来ました。目的は、彼らの事業のビジネスモデルを理解し、今後のビジネス展開の計画や、それにともなう資金需要を話し合うこと。また、現在ブラジルの社会起業家が資金調達においてどのような困難やニーズを抱えているのか、率直な意見を聞かせてもらいました。

マテ(南米特産のお茶)を飲みながら、新規事業の要の都市部住居向け電力管理装置について説明してくれるFábioさん
  • 3月19日(木): ブラジル中でクリーンエネルギーのトータルシステム(発電・蓄電・管理の装置)をレンタルする事業を行っているIDEAASを訪問。創始者のFábio Rosaさんは、Ashoka Fellowの最古参の一人で、『未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家』などでも紹介されているのでご存知の方も多いかもしれない。最近できたばかりのトレーニングセンターで彼と会い、今計画中の営利ビジネスのアイデアなどについて話しあう。夜Florianopoilisに飛ぶ。
  • 3月20日(金): 農村の活性化のため、有機農業と農村観光(アグロツーリズム)を合体させた事業を行っているACOLHIDAを訪問。参加している農家もまわり、組織の運営や資金繰りについて話を聞かせてもらった。ACOLIDA側に英語が話せる人がいなかったけど、幸い随行してくれたリーダーのThaise Guzzattiさん(因みに彼女もAshoka Fellow)と私の相棒のTがフランス語を話せたため、「ポルトガル語→Thaiseさんがフランス語で通訳→Tが英語で通訳→私が英語で質問→Tがフランス語に通訳→Thaiseさんがポルトガル語で質問」というバベル状態だったが、なんとか役に立つ話を聞きだすことができた。
  • 3月21日(土): 早朝サンパウロに帰着。一週間のまとめと来週の計画のため、週末はじっくり考えることに時間を費やすこととする。

ACOLIDAメンバーの農家で振舞っていただいたtoucinho do céuは究極のメニュー入り確実の絶品!

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それにしても、今回のプロジェクトは、「タイが社会株式市場の創設を準備中」という記事を、私がネット上でみかけたことがそもそもの発端でした。

私は一昨年来、友人達と社会貢献価値市場のビジネスプランを書き、様々な関係者と会ったり関連文献の研究を続けてきていて、(ちょっと大口を叩かせてもらえるならば)「この分野については自分よりよく理解している人間は世界中でもそうそういないだろう」くらいの自負を持っていたので、是非ともこのタイでの動きに何らかの形で関わりたいと考えました。そこで、記事に名前が出ていたアジア開発銀行GEXSI、それにタイのThammasat UniversityThe Population and Community Development Associationに、これまで私がこの分野に関連してやってきたことを説明したメールと履歴書をダメモトで送ってみました。

すると、GEXSIのCEO(当時)のMaritta Koch-Weserさんから返事が来て、「タイの案件はまだまだ関係者間の話し合いが始まったばかりで、ビジネスコンサルタントの手助けを必要とする段階ではないけど、ムハマド・ユヌス氏が提唱しているような本格的なソーシャルビジネス向け株式市場をつくる動きがブラジルで進行中なので、そちらを手伝ってくれないか」という願ってもない提案をいただき、Celso Greccoさんに紹介されました。

私としては、今まで考えて温めてきたアイデアを実践に役立てることができるまたと無いチャンス。喜び勇んで、いつもこの手のプロジェクトで組んでいる友人のTに声をかけたところ、もちろん参加するとの即答。

早速、予算獲得のため色々と動き回った結果、BM&F BOVESPA からブラジル国内での視察旅行の全経費を、そしてうちの学校のLevy Social Entrepreneurship Labからシカゴ-サンパウロ間往復の渡航費およびサンパウロでの滞在経費を、それぞれ支給してもらうことができることになりました。

2 件のコメント:

  1. 素晴らしいですね!
    予算の獲得おめでとうございます。

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  2. > あまがえるさん

    昨年のタンザニアは、旅費から何から全て自腹の手弁当だったので、今回は予算獲得できて本当によかったです。

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