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2010年4月22日木曜日

Pilot Design Study for a Next-Generation Social Capital Market in Brazil

ブラジルでのプロジェクト自体は、その後スポンサーの事情が変わり、棚上げになってしまいましたが、この時の知見を活かし、Celsoさんは現在ポルトガルで新市場創設を進めていますし、私がシンガポールのImpact Investment Exchange AsiaやケニアのKenya Social Investment Exchangeに関わることができるようになったのも、この実績が評価されたから。とてもよい機会になった思い出深いレポートです。

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2010年4月18日日曜日

慶応ビジネススクールでの講演&議論

「投資は世界を変えられるか?~Impact Investment市場の発展可能性」(編集自由)

昨日このようなテーマで慶応ビジネススクールでお話させて頂いた内容のツイッター実況を、まとめました。

この内容での議論をリアルでやったのは、僕にとっても日本では初めてなので、とても刺激的でした。

説明したりなかったところ、時間の関係で議論を深掘りできなかったところもありましたが、学生の皆さんと期待した以上に活発な議論ができたかな、と嬉しく思ってます。
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2009年5月6日水曜日

『無私』のビジネスでは世界を変えられない

5月2日の日経新聞朝刊にムハマド・ユヌス氏のインタビューが掲載されていたようですね。(複数のブログで取り上げられていて知ったのですが、日経のサイトでは何故か見つからず、記事全文はこちらで読みました。)
ソーシャルビジネスを手がける企業が上場する株式市場も設立したい。ストリートチルドレンを救済している企業はどこか、医療のソーシャルビジネスはどこか、すぐに探して投資することができる。私の身近にいる学生たちはインターネットを使った市場の創設などを議論している。上場する際には厳正に審査し、本当に適合する企業だけが上場する仕組みを作る。上場はその企業に認証を与えることになるので、知名度向上にも役立つ
ユヌス氏がかねてから提唱しているソーシャルビジネス向け株式市場についての言及もあり、やはりまだまだ一般の認知の低いこのコンセプトを多くの人に知ってもらうための一番のセールスパーソンは、今のところこの人をおいていないな、という思いを新たにしました。

自身が考える社会株式市場のあるべき姿について中々詳細は語らないユヌス氏ですが(彼を直接知る人たちによると、彼自身も大きなビジョンはあるがそれをどうすれば実現できるかという具体的なアイデアはまだ詳しく語れるほど固まっていないのではないかという話です)、
100万ドル出資したら、10年後でも同じ100万ドルが戻ってくる
社会目的の多くの慈善団体や政府機関がある。こうしたチャリティーのお金は通常、戻ってくることはないが、持続可能なソーシャルビジネスへの出資なら資金のリサイクルが可能だ
これらの発言は、私たちが現在ブラジルのBM&F BOVESPA(サンパウロ証券取引所)のために草案を作成中の社会株式市場(厳密には、「株式」ではなく、より「債券」に近い資本市場を提案する方向で考えています)のデザインの基本思想と合致していて、意を強くしました。

ただ、微妙に考え方が違うのかなと思うのが、
人間は本来、利己的な部分と『無私』の部分を併せ持つ多面的な生き物だ。ただ、これまで『無私』が経済に組み込まれることはなかった。私の提案はこの『無私』に基づいたビジネスを創造し、資本主義に取り入れることでゆがみを正し、完成形を造り上げようというものだ
という部分。一見すると私がこのブログを始めた時に書いたこととも近いように思われるかもしれませんが、「他人に何かできるという喜びや満足感」、「他人を変えていくうれしさ」、「人の役に立ちたいという思い」、これらを「無私」(selfless)という言葉で捉えてしまうことには、私はどうしても違和感を感じます。

言葉尻の問題と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、こうした活動の原動力を、崇高な無私の精神と捉えるか、人間が自然に持つ欲求(例えばマズローの言う集団帰属、自己承認、自己実現といった欲求)の一種と捉えるかによって、それらを促進するための方策や制度の設計も根本的に異なってくると考えています。(この点、ビル・ゲイツの「創造的資本主義」のビジョンの方が、私はより共感できます。)

無私の精神とは、外部から与えられるインセンティブの多寡に反応するものではありません。無私の精神を行動原理とする人は、極めて希少だからこそ、尊敬に値します。そういう人たちが世の中にいないわけではないですし、また私たち一人ひとりの心の中にそのような部分が存在しないわけでもないですが、どうすればそうした無私の精神を現状よりも促進・拡大することができるでしょうか?

考えられるのは、道徳教育だとか、ロールモデルだとか、メディアを活用した啓蒙とかいったところではないでしょうか。それらが全く無意味だとは思いません。ただ、これまで人類の長い歴史の中でそうした努力は常に行われてきたのに、無私の精神が人間社会の支配的原理になることはありませんでした。それなのに、こうした取り組みの延長線上に、今後何か世界を変えるほどのインパクトを生む可能性があるとは、私には到底信じることができません。

ユヌス氏は私も最も尊敬する人物の一人ですが、私の知る限り、彼自身人並みはずれた自己顕示欲や自己実現欲の持ち主で、決して無私の人ではありません。「それにもかかわらず」私は彼を尊敬するのではなく、そうした強い欲求を持っている人「だからこそ」、それらの欲求を社会の発展にふりむけて極めて効果的に使っているからこそ、尊敬するのです。彼がいつも挙げるダノンやアディダスなどのソーシャルビジネスの例も無私の心で行ってるわけではないでしょう。

ユヌス氏や他の成功している社会起業家を、無私の聖人君子と捉えてしまうと、ほとんどの人にとって彼らの行蹟は尊崇の対象にとどまり、後に続くなんて「自分には無理」ということになりかねません。

ユヌス氏のような人たちがどのような欲求を持ち、どのようなインセンティブに反応しているのか、どういう弱点や盲点に陥りがちで、それを回避するにはどのようなサポートが必要なのか、そうしたことを深く掘り下げて理解して初めて、彼らのような人材を拡大再生産することが可能になります

希少にしか存在しない無私の偉人がビジネスを起こすことに頼っていては、根っこのところで世界は変わりません。本当の変化は、人の痛みが分かり、事象の本質を見る目を持ち、目立ちたがりでええかっこしいな、そんな普通の人が動く時に起こります。普通の人が持つ金銭的・物質的欲求を全否定するのではなく、うまくバランスさせながら、それ以外のより向社会的な欲求を刺激し、社会的価値の創出に振り向け、充足し、促進する環境や仕組みをつくることができれば、世界は変わりはじめる。そう考えて今後もどんどん動いて仕掛けていきます。(で、まずはBM&F BOVESPAのためのレポートを仕上げないと。。)

2009年5月3日日曜日

定額給付金基金

定額給付金基金が、メディアなどでも取り上げられ、ちょっとした話題になってます。 これ、私の知り合いにも関わっている方がいらっしゃいますし、面白いアプローチだと思うので、うまく行ってほしいなと思う反面、ちょっと個人的には心のどこかにひっかかる違和感もあります。

某SNSのコミュで、敢えてdevil's advocate役を演じるため、私のごく限られた知識に基づいて定額給付金基金に関する私見を述べてみたのですが、反応がなかったためこちらに転載しておきます。


【良いなと思う点】
  1. 定額給付金という兎角注目度の高いイシューに絡めて、メディアの力をうまく利用している
  2. 定額給付金のような「たなぼた」的所得は、寄付などに使うのに比較的抵抗が少ないという人間の心理をついている
  3. 多くのNPOが集まることでクリティカル・マスをつくり出し、話題性を高めるとともに、寄付者の多様な関心領域にも対応できるようになっている
【疑問に思う点】
  1. 定額給付金みたいな無責任なバラマキ政策(と、私は思ってる)に便乗するのはどうもわだかまりを感じる
  2. 寄付に使うことで、定額給付金の本来の目的である経済活性化へどのような効果(コスト・ベネフィット)があるのかについてはまったく触れていない(定額給付金の政策意図である景気刺激への即効性が損なわれるのでは?)
  3. チャリプラが費用として寄付金の10%を徴収すること自体は、私自身としてはありだと思うし、それをウェブサイトにしっかり明記しているのは良いと思うが、それが寄付する人にどれだけちゃんと伝わっていて納得してもらっているのかは不明(米国の寄付ポータルGlobalGivingも同水準の手数料を取っていて、ウェブサイトにもよく見れば書いてあるんですが、それを知らなかった利用者も多くて一部で批判がずいぶんあったので)

2009年3月28日土曜日

ブラジルより - その4

Lua Novaの創始者、Raquel Barrosさん

イースターエッグ作りに勤しむ製菓事業チーム

人形製作事業チームの作業風景

  • 3月25日(水): 午前中Ashokaを訪問し、ブラジルでFull Economic Citizenshipイニシアチブを統括するAlan Delcourtさんと、今後の提携の可能性について話し合う。 午後は、Raymundo Magliano Filhoさん(元BOVESPA会長、現BM&F BOVESPA Institute会長)と会い、私達のプロジェクトの概要と現在での仮説を説明する。
  • 3月26日(木): ①World Business AcademyのSimone Ramounoulouさんとインタビュー。②NESsTのJeniffer Iversonさんと再会し、情報交換&提携体制を協議。③Luiz Maiaさん(元ABN AMROブラジルの会長で、現プライベートイクイティファームのCEO)と、Luiz Roberto Caladoさん(ブラジルの投資銀行の業界団体であるAssociação Nacional dos Bancos de Investimentoのマネージャー)と会い、SSE 2.0のコンセプトについてプレゼンを行い、意見交換。
  • 3月27日(金): サンパウロから車で1時間半ほど西に位置するSorocabaという町へ。行き場を失ったシングルマザーにシェルター(宿泊所)を提供し、自立のためのグループ起業支援を行っているLua Novaという団体を訪問。創始者のRaquel da Silva Barrosさんとのインタビューの後、シェルターや様々な起業グループの現場を見学。
  • 3月28日(土): 充実しまくりの春休みも終わり。 今日夕方の飛行機でサンパウロを発ち、明日朝にはシカゴに戻る。来週月曜からMBA留学最後の学期の授業が始まる。

シカゴに戻ってから、SSE2.0の制度の草案を設計・提案します。その1で書いたとおり、現在BM&F BOVESPA本体の状況が流動的なため、ちょっと見通しが立て辛いのですが、Celsoさんとの話では、今夏またブラジルを訪れSSE2.0の実行準備を手伝って欲しいと打診されています。

2009年3月25日水曜日

ブラジルより - その3

ブラジル滞在もあっという間に2週目に突入。残り日数が少なくなってきました。
  • 3月22日(日): 翌日のディスカッションに備えて、資料作成に深夜過ぎまで精を出す。
  • 3月23日(月): 朝から、Celsoさんと、BM&F BOVESPA Institute(BM&F BOVESPAのCSR活動を担当する組織)のスタッフ、それにドイツから訪れているMichel Alouiさん(新興市場で成功をおさめた元ベンチャー経営者で、現在は自ら創設したBrandStiftungという財団のCEO)とミーティング。これまで得られた知見を共有し、そこから考えられる仮説について話し合う。午後は、①Nelson Spinelliさん(元BOVESPAの副会長。現在はBM&F BOVESPA Instituteの副会長であり、独立系大手証券会社のCEO)と、②Fernando Rossettiさん(Group of Inistituites, Foundations and Enterprisesの事務総長)とインタビュー。
  • 3月24日(火): 朝サンパウロを発ち、車で3時間ほど北東に位置するCunhaという町に向かう。環境保全、有機農法の指導、それに有機作物の販売支援を行っているSerra Acimaを訪れ、CEOのMarcelo Michelsohnさんと、財源確保の問題や今後の戦略について話し合う。実際の指導現場にも足を運び、農民の方々から、なぜ有機農法に関心を持ったのか、有機農法に転換するにあたってどのような懸念や困難があるのかなど、聞き取りをする。

Cunhaの農家にて

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一月上旬にCelsoさんと、SSE2.0(寄付プラットフォームであるBVS&Aを第一世代として、より本格的に市場メカニズムを活用した第二世代のSocial Stock Exchange)の構想について初めて話し合った時は、周囲で色んな人が、「あれも考慮しなくてはならない」、「これも検討しなくてはならない」、とレベル感の異なるバラバラなことを言っていて、何が核心の問題で、具体的にどこからどうやって手をつけてよいのか分からず、五里霧中の状態にいるように見えました。

そこで私たちは、①ユヌス氏がああ言っているとか、GEXSIはこう言っているとかは、一旦置いておいて、ブラジルの現状に合致したメカニズムは何かをゼロベースで考える(例えば、株式市場が本当に最適解なのかという根本的なところから検証の範囲に含める)ことと、②提供する側の理屈ではなく、ユーザー側(この場合は、ソーシャルビジネスと出資者)の視点で設計を行うことを提案し、そのために、以下のようなプロセスでプロジェクトを進めることにしました。

  1. 基本方針の明示化と確認: 今までに無い金融の仕組みをつくろうというのですから、制度設計において考慮しなくてはならないこと(変数)は山ほどあります。ですからまずは、動かない軸足をどこに置くかを決める必要があります。私たちは最初の数回のディスカッションやQ&Aを通して、彼らが何を目的としてこのSSE2.0をつくろうとしているのか、基本理念や方針、最低限これは満たさなくてならないという条件、など暗黙の了解となっていたものをあぶり出して言語化し、話し合いの上で再確認・共有するという作業を行いました。
  2. 設計変数の洗い出しと優先順位付け: 次に行ったのは、制度設計の肝となる変数は何かを考えて、タスクの全体像を把握し、それに優先順位をつけることでした。リターンやリスクと言った金融商品設計の根幹の話から、管理・監督体制といった話まで、一緒くたにして扱っていては、いつまでたっても話が進んで行きません。ですから、一番最初にどこまで考えるのか、その次にはどのイシューに答えを出して、後回しにして良いのは何かを明確にしました。その上で、重要な設計変数について、それぞれふり幅はどのくらいで、その間にどのようなオプションがあり得るのかを整理しました。
  3. ソーシャルビジネス側と出資者側の双方のニーズの把握と制約条件の理解: ブラジルのソーシャルビジネスと潜在的出資者を対象に、実際に彼らがそれぞれどの設計変数を重要だと考え、どのオプションを選好するのかを理解するため、簡易コンジョイント分析を含めたオンラインアンケートを実施しました。さらに、今回こうしてブラジルに来て、多様なステークホルダーとのインタビューを通して、オンライン調査から得られた情報への肉付けと、ブラジルのビジネス環境、金融事情、非営利組織およびソーシャルビジネスを取り巻く文化と制度といった背景の理解に努めているというわけです。
  4. 制度案の提示: 今週土曜日にシカゴに戻ってからは、今回のフィールドトリップで得られた知見を整理するとともに、オンラインアンケートの分析結果と照らし合わせ、それを基に、ソーシャルビジネスと出資者双方のニーズをより良く満たすことができる制度の草案を設計・提案します。つまり、1で確認した事項を軸足に、3で得た情報を使って、2で洗い出した変数について最適化するという思考の流れになります。
  5. 実行プランの作成: コアとなる金融商品や取引プラットフォームを成り立たせるためには、どのような手順をとらなくてはならないか、また必要とされる付帯サービス(例:会計トレーニング、ビジネスコンサルティング、監査)を提供するためには誰が何をするべきかを提案します。

私も相棒のTも、これだけ画期的で注目度も高いプロジェクトに関わり、ほとんどフリーハンドで思い通りにやらせてもらっているので、とても大きなやり甲斐を感じています。

2009年3月22日日曜日

ブラジルより - その2

現在のBVS&Aに参加している二つのソーシャルビジネスを訪問して来ました。目的は、彼らの事業のビジネスモデルを理解し、今後のビジネス展開の計画や、それにともなう資金需要を話し合うこと。また、現在ブラジルの社会起業家が資金調達においてどのような困難やニーズを抱えているのか、率直な意見を聞かせてもらいました。

マテ(南米特産のお茶)を飲みながら、新規事業の要の都市部住居向け電力管理装置について説明してくれるFábioさん
  • 3月19日(木): ブラジル中でクリーンエネルギーのトータルシステム(発電・蓄電・管理の装置)をレンタルする事業を行っているIDEAASを訪問。創始者のFábio Rosaさんは、Ashoka Fellowの最古参の一人で、『未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家』などでも紹介されているのでご存知の方も多いかもしれない。最近できたばかりのトレーニングセンターで彼と会い、今計画中の営利ビジネスのアイデアなどについて話しあう。夜Florianopoilisに飛ぶ。
  • 3月20日(金): 農村の活性化のため、有機農業と農村観光(アグロツーリズム)を合体させた事業を行っているACOLHIDAを訪問。参加している農家もまわり、組織の運営や資金繰りについて話を聞かせてもらった。ACOLIDA側に英語が話せる人がいなかったけど、幸い随行してくれたリーダーのThaise Guzzattiさん(因みに彼女もAshoka Fellow)と私の相棒のTがフランス語を話せたため、「ポルトガル語→Thaiseさんがフランス語で通訳→Tが英語で通訳→私が英語で質問→Tがフランス語に通訳→Thaiseさんがポルトガル語で質問」というバベル状態だったが、なんとか役に立つ話を聞きだすことができた。
  • 3月21日(土): 早朝サンパウロに帰着。一週間のまとめと来週の計画のため、週末はじっくり考えることに時間を費やすこととする。

ACOLIDAメンバーの農家で振舞っていただいたtoucinho do céuは究極のメニュー入り確実の絶品!

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それにしても、今回のプロジェクトは、「タイが社会株式市場の創設を準備中」という記事を、私がネット上でみかけたことがそもそもの発端でした。

私は一昨年来、友人達と社会貢献価値市場のビジネスプランを書き、様々な関係者と会ったり関連文献の研究を続けてきていて、(ちょっと大口を叩かせてもらえるならば)「この分野については自分よりよく理解している人間は世界中でもそうそういないだろう」くらいの自負を持っていたので、是非ともこのタイでの動きに何らかの形で関わりたいと考えました。そこで、記事に名前が出ていたアジア開発銀行GEXSI、それにタイのThammasat UniversityThe Population and Community Development Associationに、これまで私がこの分野に関連してやってきたことを説明したメールと履歴書をダメモトで送ってみました。

すると、GEXSIのCEO(当時)のMaritta Koch-Weserさんから返事が来て、「タイの案件はまだまだ関係者間の話し合いが始まったばかりで、ビジネスコンサルタントの手助けを必要とする段階ではないけど、ムハマド・ユヌス氏が提唱しているような本格的なソーシャルビジネス向け株式市場をつくる動きがブラジルで進行中なので、そちらを手伝ってくれないか」という願ってもない提案をいただき、Celso Greccoさんに紹介されました。

私としては、今まで考えて温めてきたアイデアを実践に役立てることができるまたと無いチャンス。喜び勇んで、いつもこの手のプロジェクトで組んでいる友人のTに声をかけたところ、もちろん参加するとの即答。

早速、予算獲得のため色々と動き回った結果、BM&F BOVESPA からブラジル国内での視察旅行の全経費を、そしてうちの学校のLevy Social Entrepreneurship Labからシカゴ-サンパウロ間往復の渡航費およびサンパウロでの滞在経費を、それぞれ支給してもらうことができることになりました。

2009年2月3日火曜日

Global Federation of Social Investment Exchanges

本日2月3日から6日まで、イタリアでGlobal Federation of Social Investment Exchangesの発足会議が開かれています。

この会議を主導しているのが、ロックフェラー財団のAntony Bugg-Levineさんと、南アフリカのSASIXのCarol Tappendenさん。ご両人とも個人的に面識があるのですが、このイシューにおける素晴らしいthought leadersです。

でも、こういった会議を今開く実質的な意義については、正直どうも疑問を感じます。本当の意味でSocial Investment Exchangeと呼べるworkableなモデルが(多分唯一の例外であるTriodos Ethexをのぞいて)まだ存在していないのに、まずGlobal Federationをつくってスタンダードやら協力体制やら政策やらを話し合うことにどれほどの価値があるのでしょうか。

最適解が何なのか誰も見当もついていない現段階では、各国各様に現地の事情に適合したモデルを、試行錯誤して作り上げていくことの方が、よっぽど喫緊の課題だと思うのですが。相互の情報交換は重要でしょうが、無駄なbureaucracyをつくる結果に終わらないでほしいものです。

ただ、この会議のウェブサイトのResourcesのページは、最近の社会資本市場に関する資料がよくまとまっていて、ご関心のある方にはオススメです。

2008年11月8日土曜日

Kivaの創始者からのフィードバックと、Ashoka Fellowとの協働プロジェクト

今学期は、高機能自閉症の方を雇用する社会起業プロジェクトにフォーカスをシフトしていますが、平行して「社会貢献価値」市場プロジェクトの方もぼちぼち仕込んでいます。自分たちのアイデア自体にエキサイトしていた段階から、一歩退いて、様々な人からフィードバックをもらいながらアイデアを「発酵」させている状況といえるかもしれません。

先月Kivaの創始者のJessica Jackley Flanneryさんが、Innovating Social Change Conferenceでの基調講演のためにKelloggを訪れた時に、少しお話をする機会があり、私たちの社会貢献価値市場プロジェクトについてもちょっと触れたところ、関心を示してくれました。そこで、メールでコンセプト説明資料とビジネスプランの草稿を送ったのですが、主に

  • 需要サイド(Social enterprises)、供給サイド(Social investor/Donor)の双方に、このような斬新な社会金融システムへのニーズが本当にあるのか、という疑問に対して説得力がまだ不足している。この点を補うためにも、Kivaを含む既存のプレイヤーが持つ長所と欠点のより詳細な分析を示す必要がある。
  • 現在のビジネスプランでは富裕層をまずターゲットとすることになっているが、もっと幅広い層の参加を促進するための工夫はできるのではないか。
という二点のフィードバックを頂きました。Jessicaさんは、
『To be clear, I think this is quite good! Just wanted to provide some feedback that may illuminate ways to make the doc even better.. Hope this is helpful and pls keep in touch as things develop.』
と言ってくれているので、今後また改良を加えた後に相談にのってもらえればと思っています。

来学期(2009年1月~3月)には、ブラジルのサンパウロ証券取引所(BOVESPA)が開設しているEnvironemntal and Social Investment Exchangeの発展型を開発するというプロジェクトをAshoka FellowでもあるCelso Greccoさんと一緒に実施することが決まりました。このプロジェクトはThe Global Exchange for Social Investment (GEXSI)との提携により実現したもので、フィールドトリップの旅費はKelloggのThe Carol and Larry Levy Social Entrepreneurship Labから支援をうけることになっています。

この一年間で、このまだ狭い「業界」の色々な人と話をしてきました。そのうちの多くの方が、「"Social Stock Market"を創ろうという掛け声のもとにこれまで出てきた他のどんなアイデアよりも、独創的で、良く練られている」と言ってくれる一方で、「ただ時代の先を行き過ぎていて、実現するには大いに難航する可能性がある」という懸念を示しました。事業コンセプトを、机上の空論を離れ、できる限りシンプルで実践的な形に進化させていかないとならないわけですが、BOVESPA/GEXSIとのプロジェクトは、そのためにも絶好のlearningができそうなチャンスになりそうです。

2008年3月2日日曜日

Information market as a social valuation mechanism

Sean Stannard-Stockton's recent column on the Financial Times envisages that more individuals of moderate income will be interested in the social markets by 2033.

There has been a significant increase recently in the level of interests across the social sector in the possibility of adopting a market mechanism. Many have been trying to emulate the system of stock exchange, but they have been failing so far to achieve the most important purpose of adopting such a market mechanism – to allocate finite resources to their most valued use.

This is because, in my view, they take stock exchange system too literally without recognizing the critical differences between social values and economic values and the needs to adapt and modify the existing market mechanisms to this unique context.

A million-dollar question here is how to assess the non-economic values created by social organizations in the absence of price mechanisms since the society as a whole needs to collectively assign some value to different social organizations’ activities in order to be able to prioritize resource allocation. The social sector has invested enormous money and efforts in elaborating social impact evaluation methodologies and metrics, but I believe that the existing utilitarian approaches will never be sufficient.

I think the way forward is to disaggregate the functions of a market into two, that is, a valuation mechanism and a resource allocation mechanism. This is essentially a two-step system that works in a similar manner as TV advertisement market does. As is the case with the services provided by social organizations, those who benefit from TV programs (audience) are not same as those who pay for TV programs (sponsors). The TV producers succeeded in capturing, albeit imperfectly, the value of their programs using mechanisms such as a gross rating point (GRP), and made it possible for sponsors to allocate their money efficiently to the air time blocks with various valuation.

There already are emerging social investment platforms such as GlobalGiving and KIVA, that can work as resource allocation mechanisms in the social sector. What is lacking, however, is a feasible and credible valuation mechanism that can address unique difficulties of dealing with social values, including their public-good nature, impossibility of linear aggregation, and incommensurability. Information markets such as the Iowa Electronic Market and the Intrade appear to have a great potential in solving all.

When I shared this idea with Sara Olsen of SVT Group, she said that socialmarkets is now planning to experiment a similar idea. No one else in the social sector seems to have seriously tried to use an information market as a valuation mechanism and link it to a social investment platform. The obvious problem with using information market as a social valuation mechanism, however, is that there is no exogenous, observable measurement according to which prediction market participants' bets are rewarded or punished, and ultimately validate the accuracy of information market's results.

2008年1月23日水曜日

ムハマド・ユヌスがやってきた ヤァ!ヤァ!ヤァ!


グラミンバンクの創始者で2006年のノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏がシカゴで講演をされるということで、極寒の中ダウンタウンまで出かけて聴いてきました。700~800人くらい収容できる会場はほぼ満席でした。

マイクロファイナンスや社会起業に特に関心のある層を対象としたものではなく、全く一般の人向けなので、ユヌス氏の話の内容も、出てくる質問のレベルも、正直言って大したことありませんでした。でもまぁミーハーな私としては生ユヌスを見て、直筆サイン入りの新著『Creating a World Without Poverty: Social Business and the Future of Capitalism』を購入できただけで、とりあえずは満足。

講演自体は40分程で、グラミンバンク設立当初の話が半分、残りは最近彼がフォーカスしている社会性ビジネスについてでした。新著でも述べている通り、彼の定義では「社会起業 (social entrepreneurship)」は営利も非営利も包含するのに対し、「社会性ビジネス (social business)」はその下位概念で、営利活動を通じて社会的価値を生み出す事業形態の方にスポットライトをあてます。

ノーベル平和賞受賞スピーチでも話していた"social stock market"についても二回言及がありました。個人的にはこのトピックについて彼の考え方をもうちょっと突っ込んで聞きたかったのですが、軽く触れた程度で、ちょっと残念でした。

質問時間は20分くらい。私もずっと手を挙げ続けていましたが、競争者が多くて、運悪く結局指されず終いでした。

2008年1月20日日曜日

カーボン・オフセット取引と「社会貢献価値」取引

先月、『「社会貢献価値」取引と排出権取引の違い』 というエントリーで、HIP InvestorのCEOのポール・ハーマンから聞いた話として、「排出権市場で「社会貢献価値」も取引できないかというプランを構想している人たちがいるそう」だと書きました。

排出権取引には大きく分けて、強制的アプローチ(Mandatory approach)と自主的アプローチ(Voluntary approach)の二種類があります。国際条約や国内法で、あらかじめ温室効果ガスの排出上限を設定した上で、その過不足を排出権の形で融通する、いわゆる「キャップ・アンド・トレード」と言われる仕組みは、強制的アプローチに入ります。先月のエントリーで書いたとおり、このアプローチにおいては、取引される「排出権」という実体のないものに価値を与えているのは、政府の強制力であり、私達の考えている「社会貢献価値」取引とは、全く性質が異なります。

2週間ほど前にサンフランシスコでポール・ハーマンと再会した際に、もう一度この話題が出たのですが、このプランを考えている人たちは、どうも自主的アプローチの方により関心を持っているようです。こちらは、最近日本でも聞くようになってきたカーボン・オフセットのように、誰かに強制されることなく、ひとえに本人の意志によって、二酸化炭素削減のための努力にお金を出すものです。

実はこの自主性に基づいた取引の仕組みは少しずつ広がっています。Ecosystem Marketplaceなどを見ると、「生態系の多様性保全」といった成果の定量化が難しいプロジェクトも取引の対象になっています。「生態系の多様性保全」という価値が取引できるならば、「貧困の削減」だとか「教育の改善」といった価値だって取引できるはずだ、と考えている人たちが出てきているのは当然の流れと言えるでしょう。

ただ実態をよく見てみると、自主的アプローチにより行われているこれらの取引は、いまだに多くの問題を抱えており、それは結局、現在ソーシャルセクターが直面している問題と五十歩百歩と言わざるを得ません。

  • 価値を測る基準がバラバラで、当事者は毎回の取引ごとにこれをよく吟味する必要がある (High transaction cost due to no valuation standard)
  • 取引によって買われた成果が実現されることを保障するための、制度的枠組みが脆弱 (Weak institutional framework to ensure/monitor the delivery of results)
  • 取引に参加するインセンティブを維持するための仕組みが存在しない (Lack of proper mechanisms to maintain participants' incentives)
  • 一度購入した価値は、他に売ることはできず、また何の使い道もない (No liquidity/convertibility)

このように、まだ本当の意味で市場の効率性を活用できているとは言えず、従来の寄付市場と大差ありません。GlobalGivingSocial MarketsSasix、それにKivaといった既存の仕組みは、すでにこの段階になら達していると言っていいと思います。

私がこの件について少々調べてみた結論としては、「社会貢献価値」取引所プロジェクトで我々が取り組んでいる問題の解決には今のところあまり有用な教訓が得られそうにない、と判断してよさそうです。

2008年1月18日金曜日

村上世彰氏が日本の寄付市場の拡大を図るためのプラットフォーム作りに20億円を寄付

東京の友人からのメールで、村上ファンドの村上世彰氏が、日本の寄付市場を拡大するためのプラットフォームとしてNPO法人「チャリティープラットフォーム」を設立したというニュースを知りました。

最近のAERAに記事が載っていたそうで、それによると、
  • 村上氏は同NPO基金に15億円を既に寄付済みで、今年も5億円予定。 累計の寄付は20億円にのぼる
  • 資金の使途としては、NPO/NGO支援のために5億円、大震災時の緊急支援の研究のために10億円

とのことらしいです。日本のノンプロフィット業界で20億円というと、相当インパクトがある金額です。

ゲイツやバフェットに触発されて、日本でも大きな動きを見せる人が現れてこないはずがないと思っていましたが、村上氏は正直ノーマークでした。 さすがに頭の良い人ですから、ただお金を出すだけではなく、その効果を最大化させるためには何に使えばよいかを考えた上で、寄付市場拡大のプラットフォームに目をつけたのでしょう。ただ、ホームページを見た限りでは、まだ具体的なアプローチや活動についてはフォーカスが絞りきれていない印象を受けました。実際にどうすれば寄付市場を拡大させることができるのか、そこで自分たちにできるユニークな貢献とは何か、「theory of change」を模索している段階ではないでしょうか。

ノンプロフィット業界では人々からの信頼が何といっても最大の資本ですから、世間の村上氏に対するネガティブな見方を考えると、既存の中堅以上の団体は、まずは「敬して之を遠ざく」というリスク・アバースなスタンスにならざるをえません。しかし、近年日本でも台頭しつつある社会起業家の中には、ビジネスライクに「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」と割り切り、リスクを取ってでも協働する人たちも出てくるはずだと思います。

私が目指す、「社会起業インフラの整備」とその先にある「社会価値創出エコシステムの共創」というビジョンに近いものを感じますので、是非注目していきたいと思います。

2007年12月9日日曜日

来年の本格始動に向けて

昨日は昼に「社会貢献価値」取引所プロジェクトのメンバーとミーティングした後帰宅してから、来年の本格始動に向けて色々と仕込みをはじめ、深夜まで没頭してしまいました。期末試験直前だというのに、勉強は完全にそっちのけ。自分への言い訳ですが、この年で折角また学生生活やってるんだから、必修科目の試験勉強なんて時間がもったいなくて。今回の留学は二年分の年収(+昇給)の機会損失と学費(これは会社が出してくれてますが)をあわせたら、ン千万円の投資になります。まぁ単純な算盤勘定を超えて、「自分のやりたいことができる人生」を手に入れるという意味で元を取ろうと思ったら、実際「やりたくねえことやってる暇はねえ」(by 真島昌利)ってなもんです。

まずは、これまで読み漁った文献および今後分担して読まなきゃいけない文献をリストアップ。今まで読んだ中では、"Nothing Ventured, Nothing Gained: Addressing the critical gaps in risk-taking capital for social enterprise""Developing a Social Equity Capital Market 2006"がよくまとまっていて、現況を概観するのに役立ちました。

さらに、今後調査が必要な団体・個人をマッピング。xigiなどでこれまでに見つけた特に面白そうな事例は、まず南アフリカのSASIXと、ブラジルのBVS&A。それに、まだ試験段階のようですが、イギリスのTriodos EthexとアメリカのAltruistiqといったところでしょうか。

2007年12月8日土曜日

「社会貢献価値」取引と排出権取引の違い

私たちの「社会貢献価値」取引所創設のプロジェクトにアドバイザーとして参画してくれている一人に、HIP InvestorのCEOのポール・ハーマンがいます。彼から最近聞いた話では、排出権市場で「社会貢献価値」も取引できないかというプランを構想している人たちがいるそうです。

確かに、一見すると排出権市場も、それまで市場価値の無かったものに市場価値を与えることで、外部性不経済を内部化したということで、「社会貢献価値」取引所のアイデアと似ているように見えます。ただ、排出権市場で「社会貢献価値」をどうやったら取引できるのか、どうもぴんと来ない。私が考えるには、根本的に排出権市場は「社会貢献価値」を扱えるようにはデザインされていないのです。

排出権取引は、あくまで政府が温暖化ガスの排出量を規制することによって、人為的に希少性を作り出すことで、「排出権」という目に見えないものに価値が与えられて、それを取引できる場が用意されたことで成り立っています。つまり、ここでの価値の源泉は、政府がもつ強制力なのです。 ところが、政府が企業や個人に、「社会貢献価値」をそれぞれ何ユニットと割り当てを決めて、(納税のように)義務として拠出させるといったことは、ちょっと非現実的すぎます。さらに、「社会貢献価値」は、二酸化炭素の排出量よりも測定がはるかに困難です。「社会貢献価値」が取引されるには、具体的かつ測量可能な便益が見返りとして無ければなりません。

株式市場にしても、排出権市場にしても、すでに機能している既存の仕組みから学ぶことは重要です。でも、そのまま便乗または流用しようとするのは、それはやはり無茶というものだと思うんだけど。


P.S. 排出権取引といえば、私のミシガン大学留学時代からの畏友の吉高まりさんが、この分野における日本でのパイオニアの一人として、10月にNHKのザ・プロフェッショナルに出演されていました。私は滞米中なもので放映時は見ることができず、家族に録画を頼んでいたんですが、先日のサンクスギビング休暇で東京に戻ったときにチェックしたら、残念ながら録画失敗していました。楽しみにしていたのに…。仕方ないので、日経ビジネスオンラインの茂木健一郎のコラムを読んで我慢。

「社会貢献価値」取引所

12月2日の英語エントリーに書いたとおり、「社会貢献価値」取引所のプロトタイプを創り、試験を重ねた上でビジネスプランを策定するというプロジェクトを、有志・知人と現在進めています。荒唐無稽なアイデアに聞こえるかもしれませんが、実は10年ほど前からアメリカを中心に議論がさかんになり、徐々に研究が進んできているトピックです。まだ机上の空論と思われがちなものを、不完全であれ現在できる形でつくってみて実際にテストするというこのプロジェクトは、社会起業インフラの開発・整備という観点から極めて重要な試みになると考えています。

ジェッド・エマーソンなどはこの分野で中心的な人物の一人ですが、彼は経済性と社会性という価値を別個に捉えるのではなく、ブレンドした価値観を創り出す必要があると考えていて、そうした新しい価値観に基づいた社会性事業のインフラ作りを提唱しています。日本では経済同友会が提唱している「市場の進化」の考え方などはこれと一脈通じるものがあると思います。

ただ、私は実はこのブレンデッド・バリューのコンセプトの現実的有用性については、まだ疑問を感じています。社会性という価値を、経済性とはあくまで別個の価値として認め、その極めて異なった性質を理解しないと、それを促進するための効率的な仕組みづくりなんて不可能だと思んです。経済性価値の促進のために発達してきた市場という仕組みを単純に流用するのではなく、社会性という価値の特性にあったオーダーメードの仕組みを作る必要があるのではないかという仮説をもって、現在のプロジェクトに取り組んでいます。

Premises of the Social Value Exchange System Project

The ultimate goal of our project should be to develop a prototype of social value exchange that can induce a productive tension in the system and enhance the efficiency of social sector as a whole by allowing value-driven resource allocation with low transaction cost. There have been substantial progress and elaboration in conceptual discussions in this area in the past decade, but our aim is to be as practical as possible. That is, instead of dwelling too much on academic exercise of pursuing a perfect model, we focus on testing and getting feedback on a prototype of social value exchange that can be developed within our project's time frame. We believe that is where MBA students like us can add most value.

Among the most obvious issues in developing a workable model of social value exchange have been lack of proper information system and valuation mechanism. Despite all the recent attentions, talks and investments by social sector professionals, boiling down social impact to a set of indicators that can be compared across different objectives remains out of reach. It is not impossible to imagine that certain de-facto standards may emerge in a foreseeable future, but it will take time to reconcile diverse perspectives and needs. Moreover, due to the inherent complexity and diverse perception involved in the valuation of social impacts, formulaic valuation approach is extremely difficult and will require extensive information that would be prohibitively costly to produce and process.

Considering the limited time and resources at hand, our project needs to be very careful about the approach and must be highly goal-oriented. Therefore, we should first focus our efforts on designing a efficient and flexible system (=marketplace) that can process imperfect information and produce a reasonably good valuation, instead of spending our energy to understand the nitty gritty of making better information for formulaic valuation. Then, once establishing a workable valuation system with a sound information clearinghouse system, they should be linked to a resource allocation system with an efficient regulatory and supervisory system.

2007年12月2日日曜日

Social Value Exchange System concept


I am now working with my fellow MBA students and external partners on an independent project to develop a prototype of social value exchange system. The above is the diagram that I've developed to describe my initial concept, which we need to further refine. The key for a workable system is robust information flow, value-driven resource allocation, low transaction cost, design of incentives, and liquidity of transaction. Our plan is to start building and experimenting with the valuation and information clearinghouse modules in 2008 and proceed to develop the resource allocation and self-regulation modules in 2009.