昨年Kivaの共同創業者の一人のJessica Jackley Flanneryさんに会ったときや、今年一月にRoom to Readの創業者のJohn Wood氏(因みに彼はケロッグの卒業生)の話を聞いたときが、そうでした。
世界屈指の経営学者で、"core competence"とか"BOP (the bottom of the pyramid)"といった言葉の生みの親として知られるミシガン大学のC.K. プラハラード教授の著書を読んだときも、今ひとつなんでこの本がそんなに話題になっているのか理解できませんでしたが、先週彼の講演を聞いて、その考え方が腑に落ちた気がします。
その講演を聞きながら私がメモをした中から、いくつか抜書きしてみます。
- 2022年のインドはどんな国になることができるだろうか?ここで「どうすれば」という問いを気にしてはいけない。目標の前に手段を考えては、ポテンシャルを最大限に発揮することは不可能だ。
- 起業家に必要なのは、想像力、勇気、そして情熱だ。リソースを集め活用できる才覚はもちろんだが、現在のリソースの制約を乗り越えて何かを成し遂げようとする野心も起業家には求められる。
- ビジネスが、イノベーションや顧客開拓の努力によって、貧困層にも市場経済の仕組みが貢献できるようにする必要がある。これまでのイノベーションは、先進国の富裕層が持つニーズを満たすために開発され、その恩恵が徐々に発展途上国や貧困層にもこぼれ落ちてくるものだった。しかしこれは、もう一つの大切なイノベーションの機会を見逃している。今後は、発展途上国の貧困層が持つニーズに応えるイノベーションを起こすことで、先進国や富裕層向けのビジネスにおいてもユニークな競争優位を得ることが可能になる。
- (貧困層への市場経済の普及が環境に与える影響についての質問に答えて) 現在の市場経済におけるやり方が持続可能でないからといって、市場経済から排除されている貧困層が市場に参加し利益を享受することを阻むのではなく、その現在のやり方自体を変えるべきだ。その方法はいくらでも工夫のしようがある。