次の4つの文章の中から正しいものを一つ選んでくださいまぁ、私が戯れに即興で考えた問題に過ぎませんので、本当のところ唯一無二の正解なんてものはありません。
A. 社会起業をする人が社会起業家である
B. 社会起業家がやることが社会起業である
C. AとBの両方正しい
D. AとBの両方間違っている
ただ、普通にいたって素直に考えれば、Cと答えそうなものです。
「だけど、わざわざこんな質問をしてくるってことは、AかBのどちらかが間違ってるって言いたいのか?」と勘ぐれば、あまがえるさんや、sick_drunkerさん、scopioさんのようにAと答える方が多いかと思います。なんといっても「社会起業家」という言葉を見れば、「社会起業」にそれをする人という意味の「家」がくっついた形になってますから。
このブログのコメント欄ではありませんでしたが、他のところで、単に起業しただけじゃなくて結果を出さなくては社会起業家と呼ぶには足りないからという理由で、Dと答えられた方もいます。
金のスナさんの「概念の束縛などを受けない行動の中にこそ本質的な革新性が見いだせる」のだから「解なし」では、という答えも面白いと思います。
どれも一理あるので全て正解 ...ってことで終わらせてはあまりにもつまらないんで、 私は敢えてここではBが正解だと主張してみたいと思います。
確かに「社会起業をする人が社会起業家である」というのは、日本語の字面をみているとこちらの方が正しく見えます。
しかし、社会起業 = social entrepreneurship、社会起業家 = social entrepreneur として考えてみるとどうでしょうか?「social entrepreneur がやることがsocial entrepreneurshipである」という言い方の方が妥当だと思います。
こんな屁理屈を言うと、「今ここでは日本語で対話をしているのに、何で英語を持ち出してこなきゃいけないんだ?英語カブレになってるんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、ちょっと待ってください。
まず、社会起業家っていうコンセプトは、今まさにグローバルな規模で起きている市民社会と企業と政府との間の関わり方の大変革の文脈に置かないとその本質を理解できません。(これについては後ほど詳述します。)
また、私たちが住む世界では、貧困、環境、格差、病気、人権といったいわゆる「社会問題」というものも、国境の向こうや地球の裏側で起きているアクションの連環と密接に結びついています。社会起業家の活動は国際的なものでも、全国規模でも、コミュニティレベルのものでもよいのですが、そこにはグローバルな視野がなくては、原因の根本的な理解も、解決策の最適化もできなくなっているのです。
だから、社会起業家って何だろうと考えるときには、世界中のsocial enterpreneurたちの一人であることを認識する必要があると思います。「野球はbaseballとは違う」みたいなことを言っていられる類の話ではないのです。
「social entrepreneur がやることがsocial entrepreneurshipである」と考えるべきだと私が主張する理由がもう一つあるのですが、そろそろ長くなってきたので次回書くことにします。