2009年5月3日日曜日

定額給付金基金

定額給付金基金が、メディアなどでも取り上げられ、ちょっとした話題になってます。 これ、私の知り合いにも関わっている方がいらっしゃいますし、面白いアプローチだと思うので、うまく行ってほしいなと思う反面、ちょっと個人的には心のどこかにひっかかる違和感もあります。

某SNSのコミュで、敢えてdevil's advocate役を演じるため、私のごく限られた知識に基づいて定額給付金基金に関する私見を述べてみたのですが、反応がなかったためこちらに転載しておきます。


【良いなと思う点】
  1. 定額給付金という兎角注目度の高いイシューに絡めて、メディアの力をうまく利用している
  2. 定額給付金のような「たなぼた」的所得は、寄付などに使うのに比較的抵抗が少ないという人間の心理をついている
  3. 多くのNPOが集まることでクリティカル・マスをつくり出し、話題性を高めるとともに、寄付者の多様な関心領域にも対応できるようになっている
【疑問に思う点】
  1. 定額給付金みたいな無責任なバラマキ政策(と、私は思ってる)に便乗するのはどうもわだかまりを感じる
  2. 寄付に使うことで、定額給付金の本来の目的である経済活性化へどのような効果(コスト・ベネフィット)があるのかについてはまったく触れていない(定額給付金の政策意図である景気刺激への即効性が損なわれるのでは?)
  3. チャリプラが費用として寄付金の10%を徴収すること自体は、私自身としてはありだと思うし、それをウェブサイトにしっかり明記しているのは良いと思うが、それが寄付する人にどれだけちゃんと伝わっていて納得してもらっているのかは不明(米国の寄付ポータルGlobalGivingも同水準の手数料を取っていて、ウェブサイトにもよく見れば書いてあるんですが、それを知らなかった利用者も多くて一部で批判がずいぶんあったので)

11 件のコメント:

  1. チャリプラは、国側の法人ですよね?

    国が、NPOへの投資のシステムを作ったとのこと。
    資本の出所について、回答を求めましたが、無回答です。(2008年10月)

    定額給付金の話が、すでにあったのでしょう。
    寄付はいいと思います。貴方の言う通り、関心が高まる機会です。

    しかし、コンテストをやり、しかもそれはやらせであった。そして、資金は、既存のイメージのよいNPOに提供する。国側の広告としては、いいですが、寄付者への情報公開がされていないという、違法だと思います。ブラックな企画です。

    プラットフォームは以前から必要だと思いました。
    しかし、普通の予算の中で行うべきだと思います。

    定額給付金は、破たんする年金制度の一部1%が戻ってきた。それをある意味福祉などにまわそうならば、合理的。

    ただし、第三セクターが明確でない日本の現状で、何兆もばらまくのは、無能だと思います。通常予算での必然性があります。

    そいえば、貴殿は不賛成だったんですか?情報は回ってきていたのではないですか?

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  2. > いわまひさよしさん

    チャリプラが「国側の法人」であるとか、「やらせ」のコンテストをやったとかいうことは、寡聞にして私は初耳なのですが、風評でなく何らかの信頼に足る根拠があるのでしょうか?

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  3. 定額給付金の寄付については反対です。
    自分で稼いだ金で100円でもいいから寄付をし、
    定額給付金は日本国内で使うべきと思ってます。


    ・そもそも定額給付金に関して疑問を持ってます。これが有効であったかどうか試験するために、そして有効でない場合は今後このようなことが起こらないためのデータをとるために、国内での消費に費やすべきと思っております(それか受け取り拒否で意思表示をするか。)

    ・正直、批判を恐れずダークな感情から言うと、NPOが「定額給付金」という甘い砂糖の山に群がる
    アリのように見えてしまいます。
    感情的にいけすかないです。

    ・寄付の喜びは、「見知らぬ誰かが自分のお金で喜んでくれること」だと思ってます。その喜びを味わうには、自分が働いて稼いだ金で寄付をするのがいい、と思っております。
    要は、「彼女へのプレゼントは、
    親からのおこづかいではなく、
    バイトで汗水たらして働いて稼いだものであるべき」という考えです。

    以上、超持論でしたw

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  4. 自分は定額給付金の寄付はありだと思うんですよ。
    無駄なバラマキ政策を有効活用するという点で秀逸です。

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  5. > tonyさん

    「自分が働いて稼いだ金で寄付をするのがいい」というのは至極真っ当な考えだと思います。ただ、働いて税金納めてる人間からすれば、この給付金も税金として一度払ったものが一部返ってきたにすぎず、自分で稼いだ金に変わりないとも言えます。

    > scorpioさん

    もちろんそういう見方もできますよね。

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  6. チャリプラから今回企画絡みのイベントの案内メールが届いたこともあり(寄付金が500万円を超えたそうです。これを多いとみるか少ないとみるか^^;)、遅ればせながらコメントを書かせていただきます。
    わたしは今回のチャリプラの企画に乗る気はまったくありません。
    その理由はcloudgrabberさんが書いてくれた「疑問に思う点」の1と2を、同じく疑問に思っていることと、そもそもチャリプラにNPO側が積極的に接近することを、良いこととは思っていないことがあるからです。
    この後半部分は、語りだすとまた長くなるので敢えて書きませんが。
    そして、受け取る給付金は納税(住民税等)に充てます。

    個人的には乗らないとはいえ、cloudgrabberさんが書いたような「良い点」がないとまではいいません(特に1と2)。
    しかし、それらの良い点は現状の構造に乗るものでしかなく、構造の変化(「寄付の文化」の強化)を促進するものとなるかについては、直観的には疑問に思います。

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  7. > K.A.Luckyさん

    500万円ですか。。確かに微妙な金額ですね。費用対効果という意味では、成功とは言い難いでしょう。

    「構造の変化を促進する」ような方策を是非とも作り出していきたいということは、私も強く感じています。チャリプラではいまのところそのような次元の考え方ができているようには見えないという点にも、正直なところ同意です。

    ただ、「チャリプラにNPO側が積極的に接近することを、良いこととは思っていない」というのはどういうことでしょうか?

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  8. やはり、そこのところ、説明する必要ありますね。
    チャリプラおよびその主たるファンダーであるM氏と、某NPOで2度ほど関わりをもつ機会がありました。
    ところがその2回とも、そのNPOに関わっている、大企業でのビジネスの世界で実績を挙げてきた人(特定できてしまうのでこれ以上詳しくは言えませんが)複数(100%)から、「M氏関係と組むことをよしとしない」との趣旨のコメントをもらったのです。
    こうして、NPOがチャリプラと組むことで、日本の企業社会のメインストリームで生きてきた人の支持を得られなくなる/得にくくなる可能性があるのではないか、という懸念をもつに至ったわけです。
    もちろん、10人足らずの意見からではその命題が真であると断定はできないかもしれません。が、あてはまることがある、可能性、は否定しがたいのではないかと。
    こういうことです。

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  9. > K.A.Luckyさん

    たしかに何かと物議をかもす人物ではありますが、私は個人的には是々非々で評価するべきだと考えており、チャリプラが既存のやり方を変革できる流れを作り出すことができるのであれば、応援したいと思っています。

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  10. コメント、もういいかと思いましたが、やはり書いておきます。しつこくてすみません。

    わたしは上記のコメントでは、チャリプラとM氏そのものに対する是非を論じたつもりはありません。
    どちらかというと否定的な感慨を彼らに対して持つビジネスマンが少なくないことを、彼らとつきあおうとするNPOは知っておく必要があること(それが好ましからざる影響を及ぼすリスクを孕むこと)を指摘したまでです。繰り返すまでもなく、おわかりでしょうけど。

    M氏は日本社会になんらかの変化をもたらしうるある種の「トリックスター」であるとは思います。
    「是々非々で評価」に基本的には同意します。ただし、法廷での言動からは、わたしの考える好ましい方向へ変化をもたらすとは考えにくいようにも感じています。

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  11. > K.A.Luckyさん

    丁寧なご説明をいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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