2008年10月22日水曜日

社会起業で、高機能自閉症の方のニーズに適合した職場環境を - その3

高機能自閉症やアスペルガー症候群を持つ人たちのほとんどは、障害者手帳の交付対象とならないため、これまで雇用支援などの行政による支援の外に置かれてきました。厚労省は、やっと来年度から発達障害者の雇用にも助成金を出す方針を決めたようですが、「大企業は1人当たり年間50万円、中小 企業は1年半で90万円」という額が実際どれほどの効果をもつのかは疑問だと思います。

ほとんどの企業経営者にしてみれば、知的能力が高くても自閉症をもつ人たちについて「不可思議で、取り扱い困難な存在」という程度の認識しかないのが現実でしょうから、
  • 高機能自閉症やアスペルガー症候群の人たちが持つ特有の強みや弱点は何か
  • 彼らの強みをどうすれば活かす事ができ、逆に弱点はどのようにサポートすればよいのか
  • それをすることでどのようなメリットがあり、どのくらいのコストが発生するのか

ということを実例を見て納得してもらわない限り、助成金の果たす役割は極めて限定的になると考えています。

一方慈善団体による自閉症者への援助は、青少年やシニア層を対象としたものが大部分で、成人の場合は知的障害を持つ人に就労機会を提供する共同作業所などの取り組みが細々と行われているだけのようです。これらの活動自体は非常に有益なものだとは思いますが、高機能自閉症やアスペルガー症候群を持つ成人の雇用の問題は、ここでも見落とされがちです。

5 件のコメント:

  1. mixiの足跡をたどってきました。

    > 厚労省は、やっと来年度から発達障害用にも助成金を出す方針を決めたようですが

    これについて、出典を教えていただけませんか?

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  2. すみません、これ、リンクになってましたね。
    気にしないでください…消してもらってOKです。

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  3. > tottemoさん

    いえいえ、お気になさらないでください。

    また気軽にコメントくださいね。

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  4. はじめまして、うさうさと申します。
    私もアスペルガー症候群と診断されたものです。
    ただし、診断が下ったのは30歳を超えてからです。

    小学校時代こそいじめられましたが、勉強は出来たので
    私立の中学に行ってからはまずまず「変だけど面白い人」という立ち位置で大学生までやっていけました。
    が、まず就職をなかなかする気にならず、大学院(中退)を含め、10年間大学生をした挙句
    就職先では鬱とパニックを起こし
    その治療の過程でアスペルガーという診断名がついたのです。

    転職先でもうまくいかず、現在失業中ですが
    本当に、自分の強みを活かして仕事ができる場所があればなぁ、と思います。

    ただ、アスペルガー=几帳面という捉え方はちょっと違う気がします。
    こだわるところにはこだわるけれど、気が就かないところは全く見えないし、
    指し示されてこうせよ、と指示されても、それに沿った行動をするのに大層なストレスがかかってパニックになったりしてしまう。
    生活や作業全般にわたり平均的に几帳面とはとてもいえない人も多いような気がします(少なくとも私は生活面は混沌に近いです)。

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  5. > うさうささん

    おっしゃるとおり、「几帳面」というのは言葉のニュアンスが違うかもしれませんね。「細部へのこだわり」ということだと思いますが、そのこだわりがどこに向けられるのかは、本当に千差万別というように理解しています。

    私たちの考えている起業で、高機能自閉症やアスペルガー症候群を持つ人たちの全てを対象にすることは到底かないませんが、少しでもうさうささんのような悩みを持っている方たちのお役に立てるようにできればと思っています。

    今後とも色々と教えてくださいね。

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