Jacmelに来た最大の目的であるBassins Bleuに行く方法を探して、ホステルや街中で聞いてまわるが、法外な料金をふっかけてくるばかりで埒があかないので、観光案内所に行く。DirectorのYanick Martinさんのおかげで、どうにか$50で往復の車が手配できた。ライトブラウンの肌をもつ彼女は、mulattoと呼ばれる白人との混血で、アフリカ系が人口の95%を占めるハイチでは少数派。幼少時にアメリカに移民したが、ハイチという国の魅力や人々の創造性の豊かさを国外に知らせたいと考えて、ハイチに戻って来てこの仕事をしているのだそうだ。
水陸両用車さながらに、車で川を渡り、すさまじい悪路を越え、1時間弱でBassins Bleuに到着。話に聞いて想像していたような真っ青な滝つぼとは異なり、青みがかかった緑色で少しがっかり。でもまぁそれなりに冒険気分を味わえたので満足。
川では人々が沐浴や洗濯だけでなく洗車までしている
Bassins Bleuに飛び込み!
Jacmelに戻り、町中をしばし散策した後、ホステルで一休み。ホステルで知り合ったLisienさんという自称ガイドから、3ヶ月に一度とり行われるブードゥー教のセレモニーが今夜あると聞き、午後8時から一緒に出かける。観光客などいない完全に地元の人たちの集会。ブードゥー教というとのろいやまじないなどの迷信のかたまりのようなイメージが流布しているが、この国の精神文化の根幹ともいえる大事な民間信仰。西アフリカから奴隷として連れて来られた彼らの祖先が伝えたアニミズムが、この地の先住民族であるタイノの人々の儀式や後にはカトリックの影響と混淆して今に至るもので、基本的にハイチ人の80%を占めるカトリックはみなブードゥーの信者とのこと(残りの20%はプロテスタント)。
ブードゥーの祭壇
会場についてから約2時間待つ間に、取っ組み合いの喧嘩が起きるなど不穏な雰囲気が漂うが、午後10時頃にどうやら無事にセレモニーが始まる。ドラムに合わせて祭司が歌う中で、赤や緑の衣をまとった信者たちが踊るというもので、朝まで続くのだそうだ。
踊っている人たちの中心で灯火とマイクを持っているのが祭司
12月20日 (木) 【ハイチ】
マイクロバスにすし詰めになって3時間でポルトプランスに戻ってくる。ポルトプランスの街中を走っていると目に付くのが、宝くじの販売所と携帯電話のカード販売の看板の多さ。この国のentrepreneurにとって、この二つが今ホットなbusiness opportunitiesになっているのだろうか。
宝くじは、一攫千金を夢見る庶民の娯楽なのだろうが、胴元である政府にとっては手軽な財源になる。一般に宝くじの購買額は所得・教育水準が低いほど多いと言われているから、正味にすると富の再分配には逆効果になるだろう。
ポルトプランスの中心部にある店の20軒に1軒は宝くじの販売所?
一方、携帯電話の普及は雇用促進や所得増加に貢献する社会的・経済的波及効果が大きいと言われているが、この国ではその効果は現れてきているのだろうか。因みに、ハイチの携帯電話市場はシェア一位がDigicel、二位がVoilaで、どちらもプリペイドカード方式。大体100 gourdes(約3米ドル)で40-50分くらい通話できるとのことだから、年間平均所得が400米ドル程度のハイチの人々にとっては決して安いサービスではないはずだが、相当普及しているように見受けられた。
DigicelとVoilaのプリペイドカード販売店の看板
携帯電話を持たない人たちのために、街頭で普通の電話機を改造して公衆携帯電話サービスを提供している業者がたくさんいる
一昨日にLe Plaza Hotelで知り合ったハイチ障害者協会の代表のLouis E. Metayerさんと昼食時間に会い、彼らの活動内容について話を聞かせてもらった。PC教育による収入創出活動や、micro-insurance事業などの活動を展開しており、海外での支援者開拓に是非協力して欲しいとのこと。micro-insuranceは私も興味のある分野であり、今後の協力の可能性について連絡を取りあうことを約束して分かれる。
空港に行き、午後4時にCap-Haitien行きの飛行機に乗る。30分で無事到着するが、荷物が出てこない。多分明日到着するだろうとのこと。
あけましておめでとうございます。
返信削除ことしもよろしくお願いいたします。
[m:41]
ハイチ行ってみたいなぁと思います。お気をつけて。
>りゅうりゅうさん
返信削除こちらこそよろしくお願いいたします!ハイチとドミニカ共和国の旅行記、もうちょっと続きますのでご笑覧いただければ幸いです。