1. 柏田雄一さん
月曜日にJICAを訪問した際に、Phenix Logistics (Uganda) Ltd.の柏田雄一社長に会って話を聞いてみたいという話をしたところ、いつも昼食どきに通っている場所があるとの情報を教えてくれた。急な話なのでアポイントメントを取るのは難しいが、今日あたりそこで張っていれば会える可能性が高いとのこと。
その場所というのが、カンパラ市内にある自宅のアパートの部屋でおいしい日本食の昼食を出してくれる鉄本さん宅。ウガンダに駐在している日本人の中では有名らしい。
JICAの職員の方に案内していただいて、鉄本さん宅へ。経営してる鉄本さんは、とても気さくなおばさん。イカの天ぷらやナス炒めなど久しぶりの昼食を美味しく頂いているところに、期待通り柏田さん登場。
ウガンダの繊維産業の第一人者ともいえる柏田さんの活躍については、日本で読んだ『アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書) 』で初めて知った。ウガンダ初日に訪れたUganda Investment Authorityでも、彼の名前が出てきた。おそらく、ウガンダで最も有名な日本人と言ってよいだろう。
昼食後にくつろぐ柏田雄一さん
アポなしの待ち伏せだというのに、嫌な顔一つせず、親切にこちらの質問に答えてくれた。
「特に途上国では、社会起業家と普通の起業家を区別しようとして、ほとんど意味がない」という人がいるが、柏田さんの話を聞いているとそれも一理あるなと思う。
ウガンダの経済を発展させるためには、日本やアジアの国々がそうしたように、まずは繊維産業という労働集約的な産業を成功させることこそが鍵になると信じて、幾つもの難局を乗り越えてきた。労働文化の違いには苦労させられながらも、現在はウガンダの良質なオーガニックコットンを武器に、安価な輸入品によって一度は壊滅しかけたこの国の繊維産業の建て直しのために奮闘している。
そこには、うわついた理想論や余計な気負いは全く感じられない。あるのは、この国の人々に、大統領に、必要とされているのだから、それに応えるため一肌脱ぐのは当然といった「侠気」と、自分のできることをやり通していく「仕事人」的なひたむきさ。このすがすがしいまでの実直さは、日本の戦後の経済発展を支えた世代の方に特有のものかもしれない。
「ウガンダは、ムセベニ大統領の下、極端なほどの自由主義経済政策をとっていて、外資の導入や持ち出しにオープン。ちゃんと現地の事情を理解し、一緒に袖をまくって仕事をする用意のある起業家・投資家には、良いビジネスの機会が沢山あるはずだ」と語ってくれた。
2. Keith Kalyegiraさん
Backbone Business Investment Servicesという会社を設立準備中のKeith Kalyegiraさんと会った。構想しているのは、アフリカの中小企業に投資しようと考えている人たち向けの支援サービス。簡単にいえば投資銀行が果たしている役割を、このセグメントでやろうということらしい。
Keithさんも、オランダにいる起業パートナーのAnne Stoelさんも、今はフルタイムの本職がある中の起業準備で、なかなか思うようには進捗していないみたい。
このビジネスを立ち上げ軌道に乗せるためのボトルネックは、どちらかというと投資家よりも、投資先の企業の方だと認識している様子が伺われた。借金には慣れているが、株式金融というとよく分からないし、疑心暗鬼になりがち… そういう中小企業の経営者を対象に、資本政策に関するセミナーを開いたり、株式による資金調達の利点を説明する記事を書いたりと、営業活動をしている。また、日俸$250-$500で中小企業のビジネスプランを書くコンサルタントとしても仕事を請け負うなどして、当初は地道にネットワークを広げる予定という。
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